天皇の玉音放送の内容を日本人は理解していたというのは本当か? 〜おばあちゃんから聞いた第二次世界大戦の終わりの話〜

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87歳のおばあちゃんから聞いた戦争の終わりのはなし。

天皇の玉音放送の内容を日本人は理解していたというのは本当か? 〜おばあちゃんから聞いた第二次世界大戦の終わりの話〜

・生きていた昔ばなしを聞かせて
・おばあちゃんの玉音放送の思い出
・玉音放送原文
・日本が負けるなんて思いもよらなかった

・生きていた昔ばなしを聞かせて

祖国の過去の時代の物語を、実際に生きていた人々に聞くことは若い人々にとって重要である。自分がどのような過去という土台の上に立って生きているのか、それを知ろうとしないことは怠慢だ。自分の足元にある土の性質をよく知ろうともせずに、現在という過去からの結末を理解することはできない。今を生きている自分自身の正体さえ、明らかにすることはできない。

老人たちに聞く祖国の話には、あやふやな部分もあるだろう。主観の部分もあるだろう。記憶がだいぶぼやけている分もあるだろう。しかし、未来を十分に蓄えたぼくたち若者にとって老人たちのわずかな声に耳を傾けるに越したことはない。たとえすべてを飲み込まなかったとしても。

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・おばあちゃんの玉音放送の思い出

87歳の奈良出身のおばあちゃんがよく話す戦争の思い出話に「玉音放送」のはなしがある。「玉音放送」とは、1945年8月15日に、大東亜戦争において日本がポツダム宣言を受諾し、日本が戦争に降伏するということを昭和天皇がラジオによって国民に伝えたという放送のことである。

前日の8月14日には明日天皇陛下からの大切な放送があるからみんなラジオの前で聞くようにと通達があったようだ。当時はまだ子供だったおばあちゃんも、家族と一緒に家のラジオの前で初めての天皇陛下の声に耳を傾けたという。

しかし、第二次世界大戦に日本が負けたというこの上ない重大な発表であったにもかかわらず、その玉音放送の時点でその内容を理解できた人は周囲に誰もいなかったという。しかしそんなことが本当にあるのだろうか。いくら天皇陛下のお言葉であると言っても日本語でお話しされていたのだろうし、そこにいた日本人がみんな内容を理解できないなんてことがあるのだろうか。

ちなみにおばあちゃんが聞き取れたのは「朕〜」のチンだけだったという。朕とは天皇陛下の第一人称のことである。そんなに難しい文章って、果たしてどんなものだったのだろうか。それはインターネットを使えば簡単に発見することができた。

 

 

・玉音放送原文

朕(チン)深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑(カンガ)ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲(ココ)ニ忠良ナル爾(ナンジ)臣民ニ告ク

朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

抑々(ソモソモ)帝国臣民ノ康寧(コウネイ)ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕(トモ)ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々(ケンケン)措カサル所曩(サキ)ニ米英二国ニ宣戦セル所以(ユエン)モ亦(マタ)実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固(モト)ヨリ朕カ志ニアラス然ルニ交戦已(スデ)ニ四歳(シサイ)ヲ閲(ケミ)シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々(オノオノ)最善ヲ尽セルニ拘ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス加之(シカノミナラズ)敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻(シキリ)ニ無辜(ムコ)ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真(シン)ニ測ルヘカラサルニ至ル而(シカ)モ尚交戦ヲ継続セムカ終(ツイ)ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延(ヒイ)テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯(カク)ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子(セキシ)ヲ保(ホ)シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ

朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ悲命ニ斃(タオ)レタル者及其ノ遺族ニ想(オモイ)ヲ致セハ五内(ゴナイ)為ニ裂ク且(カツ)戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙(コウム)リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念(シンネン)スル所ナリ惟(オモ)フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨(オモム)ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚(シンイ)シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情(ジョウ)ノ激スル所濫(ミダリ)ニ事端(ジタン)ヲ滋(シゲ)クシ或ハ同胞排擠(ハイサイ)互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道(ダイドウ)ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確(カタ)ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏(カタ)クシ誓(チカッ)テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ

 

 

・日本が負けるなんて思いもよらなかった

なるほど、、、これは絶対わからないかも!!!ラジオ放送ならなおさら!

おばあちゃんたちは実際にこの放送を聞いて、なんだかよくわからないけれど、きっと天皇陛下は日本が戦争に勝つように頑張りましょうと励ましてくれているんだ、そうに違いないとこの放送を謎にポジティブにとらえたようだ。実際に当時のおばあちゃんの周囲の日本人には、日本は絶対に戦争に勝つんだと信じている人ばかりであり、日本が戦争に負けるなんて思いつきもしない事態だったと、おばあちゃんは語っていた。

その後しばらくして、この放送を解釈した噂が広まり、おばあちゃんもすぐに日本が戦争に負けたんだと気づいたという。みんながっかりして肩を落としていたと語っていた。周囲には日本は勝つに違いない、まさか負けるなんて思いもよらない人々ばかりだったのだから、そのショックはなおさら大きかったことだろう。

 

 

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