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何もなくとも愛されるはずだという自己愛が
覚醒しあなたを蝕んでゆく
何かなければ愛されない世界など
穢らわしいと思い上がりに身を隠す
赤子の頃に戻りたいですか
笑うだけで誰もがあなたを見た世界
まだあの頃から抜け出せませんか
最も弱くて役立たずが一番愛された世界
凍りついた魂の時計の針を
融かす術さえ知らずに彷徨いは深まる
語り尽くせぬ捻れが毒となって
美しいはずの少年さえ灰色と化す
何かあるから愛されるのが正しいと
大人たちは諦めの世を泳ぎ行く
何もなくても愛されなければならないと
肥大した自己愛のあなたは囚人となる
「わたしだけは特別な人間なんです」
「わたしだけ特別に愛されるんです」
よそ者が穢れた愛を貪る間に
あなただけが無償の愛を注がれるべきだと踊る
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