クライドリに失せ物探し!マタギには山の神にちなんだ男根的風習が多く残っているというのは本当か?

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日本の伝統的な信仰を継承しているマタギとは?!?!?

クライドリに失せ物探し!マタギには山の神にちなんだ男根的風習が多く残っているというのは本当か?

・ぼくは日本古来のマタギに興味がある
・マタギとは何者か?
・マタギと山の神信仰
・マタギと山の神と男根的儀式「クライドリ」
・日本中には男根崇拝の信仰が数多く見られた
・男根崇拝の旅の記事一覧

・ぼくは日本古来のマタギに興味がある

ぼくは前から「マタギ」という、日本古代からの伝統と信仰を継承して来た山の猟師についてとても興味を持っていた。「マタギ」という人々を知ることで、日本人という民族が他とは異なるどのような特色を古来より持ち合わせてきたのかが見出せるような気がするのだ。それほどまでに「マタギ」の伝統や風習は、今の日本の現代社会を普通に生きているだけでは決して知ることのできない不思議な観念に満たされている。

 

 

・マタギとは何者か?

マタギとは、東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、昔からの方法集団で狩猟を行う者である。「狩猟を生業とする」ことがその定義とされるものの、現代においては単にマタギの郷として有名な土地に生まれ、鉄砲を生業とする猟師のことを指すのが一般的である。特に秋田県の阿仁マタギが有名でありその歴史は平安時代にまで遡るが、ほかの漁師には類を見ない古い伝統と独特の信仰を継承して来た集団のことであり、近代的な装備のハンターとは異なるものである。

マタギの活動時期は冬から春の芽吹き前の季節に集中している。狩猟の対象は昔から換金効率が硬いツキノワグマが主である。ツキノワグマの胆嚢、すなわち熊嚢は古来から「万病に効く薬」と信じられており、「熊の胆一匁、金一匁」と称されるほど高額で売れた。胆嚢だけでなく、ツキノワグマは毛皮や骨、血液、脂肪までもが余すことなく、薬や厄除けのお守りとして高額で取引された。

初冬の頃、森の木の葉が落ち、山中でも見通しがきくようになる冬になると、マタギたちは集団を作って奥深い森林に分け入り、数日間に渡って狩猟を行った。量はかなりの大規模な猟とはならない限り日帰りの場合も多く、万が一野宿するようになっても大半は山の中の洞窟をシェルターの代替として利用したり、その場しのぎの雪洞を掘ったりして野宿していた。狩りが少人数、もしくは単独行動である場合、マタギ小屋と呼ばれる小屋にあらかじめ米や薪などを運び込んでおくことで飢えと寒さをしのいだ。マタギたちはここを基地として熊狩りを行うのである。この小屋は周辺の大木の切り株や小枝を並べただけの非常に簡易なもので、長持ちはしなかった。風雨によって壊れると、翌年はまた新しい小屋が作られ、マタギ小屋は数世代にわたってマタギたちのベースキャンプとなった。

マタギ組の頭領はシカリと呼ばれ、大抵は寮の技術や山の知恵に長けた老練な猟師が任じられた。山中におけるシカリの権限は絶対であり、猟そのものだけでなく、宗教的儀式や炊事など、山中で行われるあらゆることの一切を取り仕切る立場にあった。マタギ組の各人はそれぞれ仕事を分担する。熊狩りの場合、通常はムカイマッテ(見張りと全体の行動合図役)の合図により、勢子(追い出し役)が熊を谷から尾根に追い立て、ブッパ(鉄砲撃ち)のいるところまで追い上げ、仕留めるとされている。

 

・マタギと山の神信仰

ぼくがマタギの話で興味深かったのは、その独特の宗教観と信仰に関してである。なんとマタギはこのブログ「みずいろてすと」でもよく紹介してきた、あの山の神を深く崇拝しているというのだった!

マタギは高峻険岨な山岳に挑み、常に雪崩などの自然災害に合う危険にさらされるため、いつとはなしに護符、呪物崇拝の自然宗教に目覚めた。それが山岳宗教と結びついて、山の神崇拝となった。マタギ衆のほとんどは、山の神は女性神だと信じている。この山の神は、山の全てを支配しているため、その怒りを受けないよう細心の注意を払う。山の神はマタギに獲物を授けてくれることはもとより、遭難を未然に防ぎ、マタギが難儀しているときには救ってくれる。

日本の山の神はひどく醜い女性の神様で、それゆえに自分よりも醜いとされるオコゼの魚を祀ることで上機嫌になるのだという。日本昔ばなしでも「山の神とオコゼ」という回でこれについて描写されており、日本全国で山の神様はブサイクな女神だと信じられていることは興味深いし面白い。

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またやきもち焼きで女性に嫉妬する一方で、男性が大好きだという変わった性格の持ち主だとされる。そのため山に入る時は、山の神の機嫌を損ねて怒りを受けないよう細心の注意を払う。例えば猟に出かける前には、水ごりを行って女性の匂いを消し身だしなみを整える。その反対に里にいて留守を預かる女性は、髪を結ぶことや化粧もさし控えたという。マタギは山に入る前一定期間は女性と交わることさえしないというほど、山の神は女性に対して嫉妬深いと信じられている。

 

・マタギと山の神と男根的儀式「クライドリ」

山の神が男性が大好きという伝説は、すなわち男根が大好きだということを意味する。マタギが山の中で何か困ったことがあったり失くしものをした時は、自らの男根を丸出しにし、周囲を見渡せば山の神が喜んで助けてくれるのだという。

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山の神が男根が大好きだという伝説は日本中に残されているようだ。その伝説が具体的形で現れていたのは、ぼくが「日本海沿いを北上する旅」の途中で立ち寄った島根県八重垣神社だった。八重垣神社の境内にある山の神の祠には、なんと巨大な木造男根が祀られていたのだ!

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さらには三重県の神秘的な秘境神社「山の神」では、木造巨大男根が何本も立ち並んでいる様子がむしろ不思議で神秘的で珍しく、改めて日本の山の神と男根崇拝の深い繋がりについて再認識させられた。

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またマタギの儀式の中で山の神と男根にまつわるものとしてはもうひとつ「クライドリ(さげふり)」がある。マタギは春になるとマタギ小屋に泊まって狩りをした。そして熊が獲れるとその夜、山の神へのお礼としてクライドリの儀式が行われた。まず猟に参加したマタギ一同が小屋の中に焚き火を囲むようにして車座になる。それから山の神の祭壇に向かって、一番歳の若い男の見習いマタギが裸にされ、股を広げて立たされる。他の若い男が男根を揉んで勃起させる。さらに男根に木の燃えさしを麻ヒモで結んでぶら下げ、左右にふらせる。

男は恥ずかしいやら熱いやら煙いやらで身をよじる。しかし声をあげてはならない。しばらくそうやって山の神に見せる。周囲の人は声を押し殺して黙って見ている。やがてシカリが「山の神様がお慶びになった。オホホホ」とまるで女性のように手を口の添えて言うと、ほかの者もオホホホと笑う。これが男根が好きだという山の神へのお礼であるという。

 

 

・日本中には男根崇拝の信仰が数多く見られた

ぼくが日本一周の旅をして驚いたことは、日本には本当に数多くの男根崇拝/生殖器崇拝の信仰を密かに保っているという事実だった!それゆえにマタギの中に男根的な儀式が多く残されていることも何の不思議もなく受け入れられる。日本人とは本来、生命の根源である男根や生殖器について深く追求したり神秘的に崇めたりする精神を持っていたのではないだろうか。

ぼくが常々不思議だったのは日本人というおとなしくて恥ずかしがり屋の民族が、なぜ世界でも類例を見ないクレヨンしんちゃんの「ゾウさん」踊りや「ケツだけ星人」のような世界に通用する開けっぴろげなギャグを発明できたのかといいうことだ。しかし日本一周の旅を通してその謎すらすんなり解けた思いだった。

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日本人とはとても生命の不思議に興味を持つ、根源的で男根的な民族だったのだ!しかし生命の根源である性的な物事に興味を示すのはどこの世界でも等しく同じだろう。重要なのは世界中の誰もが興味を持つその物事について、生命の根源をかなり深く追求し、そして具体的に表現することが許されている自由な土壌が日本にはあるということ、その探究心や好奇心をある種の芸術作品をとして昇華できる豊かな才能を日本人は持ち合わせているということではないだろうか。

 

 

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