土日なんて1日もありません!
研修医の激務の実態!医者には土日がないのというのは本当か?
・医者の人間らしからぬ労働環境について
・1年間土日なしで医者として労働した
・土日がどちらも休みの社会人はどれくらい?
・土日のある普通の人間にはなれない医者
・医者の人間らしからぬ労働環境について
医者と言えば激務という職業で知られている。激務激務って言われるけど実際どれくらい働いているのかを具体的に伝えるために、医者は普通に寝ずに36時間働いているという実態の記事を書いた。
この忙しくて全く眠れない救急当直の後に、眠るという時間が全く確保されず通常通りの勤務をこなさなければならないという労働状況はものすごいものだなと自分で働きながらにして感じていた。そしてそれを誰も変えようとしていないところもすごいと思った。
明らかに人間らしくない医者の労働環境の空気には、みんなが頑張って無理しているのだから文句を言わずに自分も無理して頑張って当然だろうという雰囲気もあり、研修医の人がうつ病になりやすいのもなんだか納得というような気分だった。
そのような夜間救急当直が多くて週に2回あるのだから大変だったと言わざるを得ない。しかしそれをこなすことはあくまでも医者として“普通”だった。
・1年間土日なしで医者として労働した
さらに過酷なことに、医者には土日が一切なかった。ぼくが家庭医療という内科で後期研修をしている間は、1年間ずっと土日はなかった。そして土日のためにお給料が出ることもなかった。
自分の入院患者さんが病院で病気を伴っているのだし、病人の病気に休日などないわけだから、土日もずっと出勤して当然といえば当然とも言えるが、それでも精神や肉体を丸々1日休める日がないというのは、人生にとって不都合なのではないだろうか。
ぼくが実際に働いていた時は別につらいとか苦しいとか別に感じたことがなかったのでよかったが、もしも土日を休みにしてくれるならしてほしいという気持ちは当然ながら持ち合わせていた。しかしそんな気持ちを持つこと自体、医者としてよくないと判断されるかもしれない。
・土日がどちらも休みの社会人はどれくらい?
初期研修でいろいろな科を回っている時は、入院患者さんがいてもそれを医者のチームの中で共有して診ることにより、土曜と日曜のどちらかが休めるような仕組みになっていたが、やはり土日をどちらも休むというのは困難であるようだった。
土日のどちらもが休みの社会人って、一体どれくらいいるのだろうか。ぼくの両親はどちらも公務員で、どちらも土日が休みだったが、普通のサラリーマンって土日も休みなのが普通なのだろうか。もしそうならなんと恵まれた労働環境だろうと羨ましい限りである。
・土日のある普通の人間にはなれない医者
別に贅沢を言っているわけではなく、普通の人間のように土日を休みになればいいなぁと願うことは、医者にとっては言語道断であるようだ。そんな思いを抱くことなんて思いもよらずに、医者たちは今日も必死に土日も休まずに延々と労働している。普通になりきれない運命だとわかったときに初めて、人は普通というもののありがたみを知るものだとつくづく感じる思いがする。