ラオスのプーシーの丘から旭日旗を見た。
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旭日旗のような太陽が現実に見られるというのは本当か? 〜ラオスの丘の上で〜
・日本の国旗について
・旭日旗の光には溢れるエネルギーを感じる
・ルアンパバーンのプーシーの丘に登ろう
・旭日旗のような放射状の日光
・日本の国旗について
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日本の国旗といえば、真っ白な四角い背景の真ん中に太陽を表現した真っ赤な円がドンと存在感を示しているあれである。よく「日の丸」と呼ばれたりもする。しかし日本らしさを示しているものに、その真ん中の真っ赤な円から放射状に赤々とした光線を放っているような伝統的な旗も存在する。
その旗は旭日旗と言い、「キョクジツキ」と読むらしい。難しい読み方だ。
・旭日旗の光には溢れるエネルギーを感じる
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旭日旗は日の丸の旗よりも単純に迫力があり燃え盛るようなエネルギーを感じるのでぼくは好きだ。旭日旗の模様は伝統的に昔から日本の絵画で使われており、古来より日本の人々に親しまれてきたことがうかがえる。
最近では椎名林檎の「日出処」のジャケット写真で堂々と使われており、金髪の椎名林檎と合間って迫力とめでたさが感じられる。「日出処」というタイトルも聖徳太子的で、日本的思想の境地を示したような内容であることが感じ取られる。この「日出処」は椎名林檎の中でもかなりの名盤だとぼくは思う。
しかし旭日旗はあくまでも絵の中の話であり、あんな太陽がこの世で見られるなんて夢にも思っていなかった。真ん中にある真っ赤な太陽も、その周囲に広がる放射状の日光も、絵だからこそあのように表現できているわけであって、本当に太陽が旭日旗のような放射状の光を放っている風景なんて見たことがなかった。
そう、ぼくがラオスを訪れるまでは。
・ルアンパバーンのプーシーの丘に登ろう
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ぼくは東南アジア周遊の旅の一環でラオスのルアンパバーンを訪れた。ルアンパバーンはオレンジ色の衣装をまとった僧侶たちが托鉢をする様子を見学できるという、のどかな仏教的な街だ。常にバイクにひかれそうになるベトナムのハノイからやって来たこともあり、ぼくにはルアンパバーンが天国だと感じられるほどにこの街が好きになった。近くには本当に天国のような木漏れ日の中の青い水のクアンシーの滝がある。
ルアンパバーンの街の中心にはプーシーの丘という観光名所があり、気軽に訪れることができる。この小高い丘から夕焼けを見るのが有名らしく、ぼくも夕焼けに合わせた時間にプーシーの丘へ登った。夕焼けを見ることで有名な場所だったので、夕焼けの頃合いにはたくさんの人々でごった返しており、ゆっくりのんびりと夕焼けを見られるような雰囲気では全くなかった。
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夕焼けというのは不思議なもので、その日が美しく晴れているからと言って必ずしも見事な夕焼けが見られるとは限らない。あ、今日は快晴だからいい夕焼けが見られそうだなと思っても実際はそんなことなかったり、逆に何も期待していないときに圧倒されるほど真っ赤な夕焼けに巡り会うこともある。
・旭日旗のような放射状の日光
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この日の夕焼けもいわゆる”普通”の夕焼けだったが、その日の光が実に不思議で今まで見たこともないような放射線状の日光だった。その光は、まるで旭日旗の光のようだったのだ!
太陽が川の向こうの山の中へと沈み切った後に、もはや見えなくなった日から放たれているはずの放射状の不思議な光。本当にこんな光が現実で見られるのかとぼくは胸を打たれた。これまでにこんな光を見たことがないし、これからも一生見られない光かもしれない。この時、ラオスに、ルアンパバーンにいたからこそ見られた光かもしれなかった。
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