温泉で全裸になることは変態的行為ではないというのは本当か? 〜パンツのまま温泉に入る人々〜

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大分の秘境でなぜかスリランカ人と入浴!

温泉で全裸になることは変態的行為ではないというのは本当か? 〜パンツのまま温泉に入る人々〜

・日本では裸になって温泉に入る
・大分県の山奥の秘境温泉での思い出
・秘境温泉に入っていた騒がしい中央アジアの若者たち
・中央アジアの若者たちはパンツを履いて温泉に入っていた
・スリランカ人は裸で温泉に入るのが恥ずかしい
・もしかして外で全裸になっている自分の方が変態なのではないか

・日本では裸になって温泉に入る

温泉で全裸になることは普通のことである。ヨーロッパの例えばハンガリーなどでは水着を着用して温泉に入ることも普通のようだったが、我が国日本では、温泉は全裸で入るのが当たり前だ。

しかしあろうことか、ぼくは日本の大分県において「温泉=裸で入るもの」であるという長年日本人として自分の中に培ってきた法則が大きく揺らいでしまう出来事に遭遇したのだった。

 

 

・大分県の山奥の秘境温泉での思い出

それは大分県の山奥の秘境温泉での出来事だった。湯布院の人生初めての混浴温泉で、すぐ近くの別府の山奥に、無料の秘境温泉があるというので行ってきた。山奥の秘境温泉ということなので、ぼくのイメージでは、その温泉はのどかで静寂に包まれており、人もあんまりいなくて、もしかしたらお猿さんとかも温泉に入ったりしているのかななどと想像していた。しかし実際に訪れた大分の秘境温泉は、ぼくの想像とは全く異なる様相を呈していたのだ!

 

・秘境温泉に入っていた騒がしい中央アジアの若者たち

その秘境温泉までの道は狭く、ガタガタの砂利道で、もしも対向車が前から来たらどうしようかと心配してしまうほどだった。しかし幸運なことに対向車は来ず、なんとか無事に秘境温泉の駐車場のような場所にたどり着くことができた。

車を降りた途端に聞こえて来たのは、何だか騒がしい男たちの声だった。こんな山奥の秘境温泉でもパーティーしたい人がいるのかと少し残念だったが、よくよく彼らの声を聞いてみるとなんと日本語では内容だった。だからと言って英語でもない…なんだかアジアの言語っぽいがどこの言葉か見当もつかないほど馴染みのない言葉だった。

実際に秘境温泉に降りてみると、騒いでいたのは肌のやや黒いアジア人男性たちだった。その見た目は、ぼくの旅の経験からいうと、ネパールか、インドかというような「中央アジア」という風貌の若い男たちだった。彼らは10人くらいの大人数でその秘境温泉に来ており、その秘境温泉をほぼ独占していた。

 

・中央アジアの若者たちはパンツを履いて温泉に入っていた

その大分県の秘境温泉はぼくが今までに見たこともない不思議な温泉だった。森の中の川沿いに、3つのパートに分かれて温泉があり、温泉は上から流れて来ているので上から順に温度が熱くなっているようだった。山の中の天然温泉でもちろん仕切りなどは一切なし。簡易的な脱衣所がひとつポツンとあるのみだった。ここは全裸で外をウロウロ歩くことをゆるされる珍しい場所だ。男女などの性別で分けられていることはなかったが、男性たちが裸で入っているこんな様子だとおそらく女性は来ないのだろう。

ぼくはその騒がしい中央アジア人たちを横目に温泉に入った。彼らの他には日本人男性が2人くらいいたが、当然静かにゆっくりと入浴していた。

ふと気づくと、ぼくたち日本人と彼ら中央アジア人の間には隔絶された違いがあることに気がついた。騒がしいとかそういうレベルの話ではない。なんと彼らはパンツを履いて温泉に入っていたのだ!そして日本人のぼくたちは当然何も身につけていなかった。

 

 

・スリランカ人は裸で温泉に入るのが恥ずかしい

パンツを履いて温泉に入る人なんて、日本では見たことがなかったので驚愕した!一体彼らは何人なのだろう?ぼくは英語で尋ねてみると、彼らはスリランカ人だということだった。やはり中央アジア人のようだ。彼らは福岡でITを学ぶために日本に留学している学生なのだそうだ。日本にはもう2年住んでいるらしく日本語も割と上手だった。2年も住んでいるならば日本の温泉は裸で入るという文化くらい知っているだろう。

ぼくは彼らに日本の温泉に行ったことがあるかと聞くと、何回もあると答えていた。スリランカにも温泉はあるのかと聞くと、あると答えていた。ぼくは彼らに、日本では温泉は裸で入ると知っていると思うけどなんでパンツで入っているの?とついに核心的な質問を投げかけた。すると彼らは恥ずかしいからと答えていた。

そうか…恥ずかしいんだったら仕方ないよな…とぼくは何も言えなかったが違和感が残った。パンツで温泉に入るなんて彼らが日本人ならおそらくみんなから指摘を受けるだろう。なんだかパンツのまま入るなんてお湯が汚れて汚くなるような感じもする。彼らは温泉でタバコを吸い、そのまま吸い殻を温泉の床に捨てていたりして、日本に2年住んでいても全然日本的な感性がわかっていないのだなと感じた。しかし南アジア人はこんな感じだ。街にいっぱいゴミを捨てているし、おそらくすべて自然に帰ると思っているのだろう。

 

 

・もしかして外で全裸になっている自分の方が変態なのではないか

ぼくはスリランカ人男性2人と温泉の中で3人で喋っていたのだが、なんだかとんでもない違和感を覚えた。なぜなぼくは日本人だから裸で温泉につかっているのだが、彼らはパンツを履いていたからだ。普通に考えればここは日本の温泉であり、裸であるぼくの方が正しいのだが、しかしよくよく考えてみるとこんな山の中で裸になっているこちらの方が異常なのではないかと感じられてきたのだ。

当然ここにいるのが全員日本人で、みんなが裸で温泉に入っているのならば何の違和感も感じなかっただろう。しかし今この温泉の中ではスリランカ人の彼らは全員パンツを履き、彼らに向かい合って喋っているぼくが全裸であるという光景はかなり奇妙だった。ぼくは裸で温泉に入っている自分が彼らよりも正しいと思っていたけれど、もしかしたらきちんとパンツを履いている彼らの方が文明的でふさわしい態度を取っており、大自然の中で全裸になっている自分の方が変態なのではないかと思えて来たのだ。

この気持ちは自分だけが全裸で、相手がパンツを履いているという場面を経験しないとわからない恥ずかしさかもしれない。なぜか自分だけ露出しているというとんでもない違和感!相手は文明的にパンツで陰部を隠しているというのに、ぼくだけがひとり動物的な部分を彼らに見せつけておりまるで露出狂のようだった。

結局彼らは先に帰って行き、それからその秘境温泉では本来ののどかな時間が流れて心地よかったが、ぼくは自分が正しいはずなのに自分がかなりの異常な人ではないかというあのおかしな違和感を、今でも忘れることができない。

 

 

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