食塩水の問題が解けないととんでもないことになる!数学の勉強が将来何の役にも立たないというのは本当か?

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恐怖の海水スープに身の毛もよだつ思いでした…。

食塩水の問題が解けないととんでもないことになる!数学の勉強が将来何の役にも立たないというのは本当か?

・中学校の食塩水の問題
・アジェローラでの楽しい買い物
・食事の準備とそれぞれの役割
・突然の停電にもめげずに
・恐怖の海水スープ
・義務教育の必要性

・中学校の食塩水の問題

いきなりですが中学生の数学の問題です。

「15%の食塩水200gを24%にするためには、何gの水を蒸発させればよいでしょう。」

答えは75gである。こんな問題解けなくても人生になんの支障もないよと思ったそこのあなた!この問題をきちんと理解し解くことができなければ、生きていく上でとんでもない悲劇があなたの人生に降りかかるということを、これからぼくの実体験をもとに解説していこうと思う。その悲劇は、イタリアのアマルフィ海岸に位置する素朴な町で起こった。

 

 

・アジェローラでの楽しい買い物

ぼくがイタリアの景色で最も美しいと感じ最も印象に残っているのは、アマルフィ海岸の風景だ。アマルフィ海岸にはいくつかの色鮮やかな宝石のような街が点在しており、その中の中心的な街がアマルフィだった。ぼくたちはできるならアマルフィに宿泊したかったがなんせ宿代が高額だったので、アマルフィからバス1本で行けるという、アマルフィ海岸の丘の頂上に位置するアジェローラという素朴な街に宿泊した。

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アジェローラは中心地から外れているからか宿代が極めて安いのに、部屋は大きくキッチンまでついていた。せっかくキッチンがついているのだからイタリア旅行初の自炊をしようということで、ぼくと友人のてらちゃんはアジェローラの八百屋さんへ向かった。自炊するなんて久しぶりだねー楽しみだねーなどと会話しながらの買い物は朗らかで楽しかった。

野菜スープを作ろうということでタマネギ、人参、ジャガイモと鶏肉を購入し、ぼくたちは宿に帰った。ぼくがフィンランドで購入したコンソメスープのもとがあったので、それを使って簡単に美味しい野菜スープが作れるはずだった。

 

・食事の準備とそれぞれの役割

ぼくとてらちゃんで野菜スープ作りが開始された。2人いるので野菜などを切る係と、味付けして調理する係に分けようということになった。てらちゃんは見かけによらず手先が不器用で、ジャガイモや人参もピーラーがないと上手く皮を剥けないということがわかったので、ぼくが包丁で野菜を切る係で、てらちゃんが調理や味付けをする係となった。しかし今思えばこの役割分担が、とんでもない悲劇への第一歩となっていたのである。

 

・突然の停電にもめげずに

野菜スープ作りをしていると、なんと突然の大嵐がアジェローラを襲い、大雨と雷でついに宿が停電してしまった。その後2時間ほど電気がつくことはなかった。真っ暗で料理を作るには困難な状況の中、ぼくたちはスマホの電気を頼りに必死に野菜スープを作り続けた。

ぼくは野菜を全て切り終え、あとはてらちゃんがそれらをお鍋でグツグツ煮て野菜スープを作る番である。野菜スープなんて作るのはとても簡単だ。切った野菜や肉を全部鍋に入れて、水を適量入れて、コンソメスープのもとを入れてあとは煮るだけである。コンソメスープだけで十分美味しい味がつくのだが、てらちゃんは少量の塩胡椒も入れたかったらしく、塩胡椒もスープに加えていた。

ぼくは自分の役割が終わったので、てらちゃんが調理する様子をあまり気にかけず、ベッドの上で休んでいた。しばらく経って野菜スープが出来上がった時、彼はぼくに言った。「ごめん、ちょっと味が濃いめかもしれない…。」

 

・恐怖の海水スープ

正直ぼくはこの時、味が濃くなったと言ってもそこまで濃くなっているはずもないだろう、てらちゃんは一人暮らしで自炊もしていたというし、味付けもそんなに大きな過ちを犯すことがないだろうと彼を信用していた。食べられないくらい不味くて濃いスープなんてできるはずもないし、今までぼくはそんなスープに出会ったことすらなかったので、きっと大丈夫だろうと気軽に構えていた。しかし出来上がったスープは、本当に「味が濃い」の最上級くらい味が濃くて、もはや食べることが不可能なほどだった…!

ぼくは野菜スープを食べた瞬間に言うことを予め決めていたのだ。「大丈夫大丈夫!全然濃くないよ美味しいよ!」てらちゃんを安心させるためにぼくは笑顔と共にそう言う準備を心で整えていた。しかし実際に食べた後でぼくが発した言葉は予想したものとは全く違うものだった。「え!!!ほんまにめちゃめちゃ濃いやん!なんかの味に似てる…あ!このスープ、海水みたいな味や…!!!」

ぼくは人生で初めて、食べられないほど不味い料理というものに遭遇した。この海水のような塩分濃度のスープじゃ、いくら水を加えたところでスープの味は正常に修正されないだろう。しかし不思議だ。野菜スープというとても簡単なものをこんなに不味く作るなんて、ある種の才能としか思えない。一体どうしてこんなに濃厚な塩味になってしまったのだろう!ぼくが自分で作るときは、コンソメスープのカケラをひとつ入れるだけで、とても美味しい野菜スープが出来上がるのに。一体どうして………。

深まる海水スープの謎に翻弄されそうになっているぼくに、てらちゃんは申し訳なさそうに言った。「ごめんなぁ、なんでやろうなぁ、蒸発した分の水を入れるときにも、そんなに塩は入れなかったんやけどなぁ…」

 

 

・食塩水の問題

「え!!!!!」

ぼくの脳内に衝撃が走った。まさかそんなはずはない、そんなこと思っている人がいるはずがない…!心の中で何度も自分にそう語りかけたが、どう考えてもてらちゃんがそう思っているとしか思えない発言だったので、一応てらちゃんに質問してみた。

「あのさぁてらちゃん、まさか水が蒸発するときに、塩も一緒に蒸発してると思ってないよね???」

そう質問するとてらちゃんは、その事実を知られたくないかのように顔を隠しながら、自分で自分の勘違いに対しての爆笑を始めた。そしてぼくもつられて爆笑し、二人はその後2時間くらいずっと笑い続けていた。

そうなのだ。彼は野菜スープの調理中に、野菜スープの水分がたくさん蒸発したからと水を加える際、蒸発した水の中には塩も入っているのだと盛大に勘違いし、空中に消失したはずの塩分を補うため、塩を鍋の中のスープに追加投入していたのだ。何回か水を加えたようだから、その度に塩を大量に投下し、最終的には濃厚な塩分が野菜スープを支配する結果になってしまったのだ。それもこれも「蒸発する水分の中に塩分が含まれている」というてらちゃんの盛大な勘違いに起因している。

そんな勘違いをしつつどうやって今まで自炊をやっていたのだろうか。しかしこの勘違いは甚だ不可解だ。なぜならば中学生の時の数学の時間に、この文章の最初のような食塩水の蒸発の練習問題をきちんと解いていたならば、蒸発するのは水分だけで塩はすべて残ったままだと理解しているはずだからだ。それを理解できなければ、上の問題で75gだと解答を導き出すことはできない。きっとてらちゃんは中学生の数学の食塩水の授業で、居眠りをしていたに違いない。

 

 

・義務教育の必要性

中学生の中には時々「勉強なんかしてなんになるんだよー!!!」とイキがる種類の人間がいるが、勉強しないとこのように間違ってイタリアで海水スープを作ることになるのである。結局海水スープはあまりに塩味が濃厚で、すべて捨てざるを得なかった。非常にもったいないと悔やんだが、考えてみて欲しい。ぼくたちは海水を食事として摂取可能だろうか。答えはノーである。

これをご覧になっている中学生の方々は、この経験を反面教師にしてしっかりと勉学に励んでいただきたい。せめて食塩水の問題くらいはスラスラ解けるようになっておくべきである。

 

 

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