医師がコロナワクチンの問診の業務に携わってきたよ!!!!!
医師のコロナワクチン問診バイトを徹底解説!問診の業務は楽だというのは本当か?
・医師のコロナワクチンの業務には「問診」と「経過観察」の2つがある
・医師が担当する「問診」の役割とは?
・医師が担当する「経過観察」の役割とは?
・コロナワクチンを接種できない人の条件
・コロナワクチンで経過観察に30分を要する人の条件
・コロナワクチンの接種要注意に該当する人について
・医師の問診の業務はそんなに大変じゃないというのは本当か?
目次
・医師のコロナワクチンの業務には「問診」と「経過観察」の2つがある
ぼくは3年間医師として働き、辞めて、3年間旅人として世界と日本を巡って来た。まだ貯金は余っているので旅を続けていくこともできたが、今しかできないせっかくの機会なのでコロナワクチンの業務に医師として参加してみることにした。
医師のコロナワクチン接種会場の役割としては主に2種類がある。普通に考えれば医師が予防接種の注射を打ってくれそうな気がするが、予防接種を打つのは実際は看護師さんがやってくれていることがほとんどだ。予防接種を看護師さんに任せることで、医師は医師にしかできない業務を任されている。それは「問診」と「経過観察」の2つである。
・医師が担当する「問診」の役割とは?
「問診」とは受付を済ませて来た人からお話を伺い、今日の体調や既往歴、内服薬、アレルギーの有無などを確認し、医学的な観点からこの人はこれから予防接種を打ってもいいかどうか見極めることだ。医学的にこの人はこれから予防接種を打ってもいいかどうか許可を出す「問診」は医師にしかできない重要な業務だ。医師が問診票にサインをし、これからワクチンを打ってもいいと許可を出したなら、その後ですぐ実際に予防接種を受けてもらうシステムとなっている。
・医師が担当する「経過観察」の役割とは?
実際に予防接種を受けた後には、どんな人であっても15分座って待機してもらい、ワクチンを接種したことによって体調が変わらないかどうかしっかりと確かめてから帰ってもらうシステムになっている。またアナフィラキシーの既往があったり、注射による迷走神経反射の既往があったり、コントロール不良の喘息を持ってたりする人は、要注意ということで30分座って待機して経過観察することになっている。つまり予防接種を終わった人はみんな、間隔をしっかりあけた椅子に並んで座って待ってもらうことになっているのだ。
この経過観察のスペースには、医師1人と看護師数名が待機することになっている。もしも何らかの副反応が出現した時に、すぐに対応できるようにするためだ。ぼくはコロナワクチン業務の初日がこの経過観察担当で、240人の予防接種が終了した人々をひたすら注意深く観察し続けた。実際に1日で副反応や体調不良の人がどのくらい出たのかは、以下の記事にまとめました!
そして2日目からはひたすら問診の業務を担うようになった。友達の医師に聞くと問診はそんなに大変でもないよーと言われたが、果たして本当だろうか。
・コロナワクチンを接種できない人の条件
医師の問診の業務で重要なのは、この人が今からワクチンを打っても問題ないかきちんと見極めることだ。またワクチンを打ってもいいけれど、その後の経過観察で待機してもらう時間を通常の15分にするか、要注意だから30分にするかを選別するのも重要な役割となってくる。
この人が今からワクチンを打ってもいいかを見極めるのは以下を確認する必要がある。
①体温が37.5℃以上ある人
②重い急性疾患にかかっている人
③ワクチンの成分に対し、重度の過敏症の既往歴のある人
④1回目の接種でアナフィラキシーが認められた人
⑤2週間以内に他の予防接種を受けている人
⑥その他の事情で不適切な人
今からコロナワクチンを打てないとされるのは、これらの項目に当てはまる人々である。①②④⑤を確認するのは割と簡単だと思われる。体温は事前に測られて問診票に記入されているし、最近の予防接種事情は本人に聞いたり問診票を見ればすぐにわかることだ。
問題は③の「ワクチンの成分に対し、重度の過敏症の既往歴のある人」という項目だが、これはコロナワクチンに含まれている「ポリエチレングリコール」や「ポリソルベート」に対するアレルギーの有無を問われているものと思われる。しかし「ポリエチレングリコール」や「ポリソルベート」は非常に多数の医薬品や製品に含まれており、実際にはこれらがアレルギーの原因だと特定されることは困難だとされる。つまり「ポリエチレングリコール」や「ポリソルベート」のせいでアナフィラキシーが起こったと判明することはほとんどないので③に当てはまるから今日は予防接種できないと判断することは難しく、原因が特定されていないものも含め、過去にどんな医薬品であれ食品であれアナフィラキシーを起こした人ならば注意しなければならないということだ。アナフィラキシーの既往のある全ての人は、30分の経過観察をお願いすることで対応するしかない。
・コロナワクチンで経過観察に30分を要する人の条件
通常の15分ではなく、30分の経過観察を要すると判断される人の条件には以下のような項目がある。
①過去にアナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を起こしたことがある人
②過去に採血などで気分が悪くなるまたは失神などを起こしたことがある人
③コントロール不良と思われる気管支喘息患者
①は問診で直接本人に聞けるのだが、アナフィラキシーとアレルギーの違いがわからない人がたまにいそうだったので注意が必要だった。ぼくが問診した人でアナフィラキシーで病院に運ばれたが入院はしなかったと言う人がいて「アナフィラキシーなのに入院しないなんて絶対あり得ないよね?!」と心の中で思いながらも、「それは本当にアナフィラキシーと診断されましたか?アレルギーではなくって?」と尋ねてみたが本人は断固としてアナフィラキシーと言い張っていたので信じるしかなかった。
②の迷走神経反射の既往は「採血や注射をした後などにふらーっとなって倒れたり、気分が悪くなったりしたことはないですか?」と本人に尋ねることで対応する。
③のコントロール不良の喘息というのは
喘息症状が週1回以上
PEFの日内変動が20%以上
発作治療薬の使用が週1回以上
運動を含む活動制限あり
FEV1もしくはPEFが予測値あるいは自己最良値の80%未満
のうち3つ以上が当てはまる人が該当するらしい。しかしこんなこと今この接種会場の問診で聞いても絶対わからないだろうという項目もいくつかあり、なんだか頼りないが可能な限り聞き取るしかない。なお予定外受診、救急受診、入院が月に1回以上あれば他の項目に該当しない場合でもコントロール不良と判断するという。
・コロナワクチンの接種要注意に該当する人について
このようにこれから打ってはいけない人、経過観察を30分しなければならない人の基準は割とはっきりしていてわかりやすいのでやりやすいが、問題はこの他に「接種要注意に該当する人」という項目も設けられているということだ。それは以下のような人々のことを指す。
①抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害のある人
②過去に免疫不全の診断を受けた方、近親者に先天性免疫不全症の人がいる人
③心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
④過去に痙攣を起こしたことがある人
⑤ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれのある人
⑥腎機能障害のある人
⑦肝機能障害のある人
これも問診でなんとか聞いていくしかないのだが、⑤に関しては先ほども既述したように「ポリエチレングリコール」や「ポリソルベート」のアレルギーは特定されにくいのでおそらくわかりにくいだろう。①に当てはまる人は出血傾向となるので、予防接種後に2分間はしっかりと接種部位を押さえてもらうように伝える。
しかしこの「接種要注意に該当する人」というのはどういう意味だろうか。ワクチンを打ってもいいけれど、30分経過観察か15分経過観察が微妙な人という意味だろうか。この項目の中で何個当てはまれば要注意だから30分経過観察にしようとか、そういう基準も特にないのでこればっかりは医師が自分で判断してということなのだろう。ぼくの中の基準としては、この中で2個以上当てはまれば30分経過観察をしてもらうことにしている。
・医師の問診の業務はそんなに大変じゃないというのは本当か?
このように様々な観点から細心の注意を払いながら進めていくことになる医師のコロナワクチンの問診業務だが、確かにぼくが医師の友達から聞いた通りめちゃくちゃ大変ということもなかった。少なくとも救急の当直とか、病院の外来とかの方がはるかに大変だ。ワクチンは今健康な人が受けにきているのだから、当然といえば当然と言えるだろう。今は1日240人を医師6人で分担しているので数も多くなく気軽にこなせているが、やがて2回目を接種する高齢者と1回目を接種する若い人がどちらもやって来て人数が倍になった時に、どれだけ忙しくなるのだろうと心配している。
・医師のコロナワクチンバイトの給料の詳細についてはこちら!
医師のコロナワクチンバイトの給料の詳細についてはこちらの記事でまとめました!
・医師が実際にコロナワクチンを打ってみた感想はこちら!
医師が実際にコロナワクチンを打ってみた感想はこちらでまとめました!