朝のニュース番組に占いコーナーが必要というのは本当か? 〜人は未来に不安を抱く〜

 

さーて今日の運勢は!

朝のニュース番組に占いコーナーが必要というのは本当か? 〜人は未来に不安を抱く〜

・朝のニュースの占いコーナーの疑問
・誰があの占いを作っているのか不明
・人の大切な日に占いコーナーは害悪
・人は未来に不安を抱き生きる
・中島みゆき「あのさよならにさよならを」
・宇多田ヒカル「Wait&See 〜リスク〜」

・朝のニュースの占いコーナーの疑問

ぼくは毎朝テレビ番組を見ながら思っていることがある。朝のニュース番組の占いコーナーって何のためにあるのだろう。これって本当に毎日時間を割いてやるほど重要なことなのだろうか。そして見ている人はみんな占いコーナーをやってほしいと希望しているのだろうか。

毎朝毎朝星座ごとに運勢の順位をつけて、ラッキーアイテムやラッキーカラーを発表するなんてなんだか正気の沙汰とは思えない。そんなに不確実で不正確なことを公共の電波で毎日発信し続けているなんて、民衆はテレビから情報を垂れ流す権力者にバカにされているのではないだろうか。別に占いなんて誰も真剣に見ていないからどうでもいいのだとみんな感じているのだろうか。しかしみんながどうでもいいと感じる価値のないことを延々と長い期間放送しているのって一体なぜなのだろう。

 

 

・誰があの占いを作っているのか不明

そもそもこの星座の順位とかラッキーアイテムとかって、誰が決めているのだろう。誰によりそれが決定されているのか明確にされていない時点でかなりおかしな情報の垂れ流しだ。きちんとプロの占い師が決定しているのかどうかも定かではないし、そもそもプロの占い師って別に資格があるわけでもないしその存在自体がかなり怪しい。もしかしてものすごく権力のある占い師がいて金が欲しいがためにテレビ局と癒着して、テレビ番組も占いコーナーをやめるにやめられない状況なのだろうか。

けれどプロの占い師があの占いコーナーを作っているのならまだいい。もしかしたらそこらへんのおっさんが適当に作っている運勢である可能性だって十分にあり得る。だって誰があの占いを作っているかなんて発表されていないのだから。もしかしたらものすごく適当な素人のおっさんがせっせと作った占いの結果を受けて、女子中学生とかがショックを受けたり喜んだりしているかもしれないのだ。

 

・人の大切な日に占いコーナーは害悪

ぼくが気がかりなのは、ものすごく大事な日の朝にあの占いコーナーを見て影響を受ける人がいたらとても気の毒に感じてしまうことだ。もしも失敗のゆるされない大学受験の日の朝に、テレビから流れてくる自分の星座の運勢が最下位の順位だったら、気にしないでいようとしても多少は心の隅でショックを受けるだろう。根拠も出元もまったくわからないデタラメかもしれないあの占いが、公共の電波から垂れ流されているというだけで影響力を持ち、人の人生の重要なポイントを多少なりとも左右するなんてあってはならないことだと思うのだ。

逆にぼくはセンター試験の日の朝の運勢が1位だったので安心した思い出があるが、だからと言ってそのおかげで頑張れたわけでも全くないし、できるならこんな心臓に悪い占いコーナーなんて失くしてほしいと思ったのが本音である。もしかして自分の大切な日の運勢が最悪かもしれないと気にしてしまうので精神衛生上よくなかった。

 

 

・人は未来に不安を抱き生きる

人は嬉しいことよりも、悲しいことや喪失することにものすごく敏感な生き物だ。いい結果は意外とすぐに忘れてしまっても、悪い結果はズルズルと心の底で引きずってしまったりする。悪い結果を気にしないように努力しようと思ってもしきれないのは、ぼくたちには未来を見通す能力がなく、もしかしたらテレビから流れてくる予言が本当かもしれないと思い込んでしまうからである。

ぼくたちには未来を見通す能力がなく、今日何が起こるかまったくわからないという曖昧な不安につけ込んで、預言者や占い師はどうすれば生きやすいかの地図を人々に提示し、テレビ番組はそれを広める。もしかしたらテレビの中には未来を見通せる人がいるのかもしれないと愚かな民衆は信じ込み、彼らについていくべきではないかと洗脳される。しかしそんなことはすべて幻想である。

未来へと目を向ければ人の心は未知なる不安へと落とし込まれる。重要なのは定まった未来を見通して小賢しく対応する能力ではなく、どんな未来が訪れようと今をしっかりと生き抜いてやろうという心意気ではないだろうか。

 

 

・中島みゆき「あのさよならにさよならを」

“預言者は化粧のように
曖昧な明日を綺麗に飾る
立ちすくむわたしたちには
あらすじもなく予告編もない

思いつかなくていい
心配や疑いがわたしたちを傷つける”

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中島みゆきが「あのさよならにさよならを」の歌の中で描く男女の姿も、未来への不安に心を揺らしては戸惑っている。未来とは思いがけない危険や罠に満ちあふれているのかもしれない。今はうまくいっていてもこの先ずっとうまくいくかどうかなんてわからない、今は幸せでもいつまでも幸せかどうかもわからないのに、ましては今が幸せかと迷うときなんかは…。

もしかしたら未来にはずっと今よりよくなっているかもしれないのに、未来は今よりずっと幸福かもしれないのに、人はそのように楽観的に考えるというよりはむしろ未知であるという未来の時に不安と心配と恐れと危険をあてがう。いいことが起こる可能性も、悪いことが起こる可能性も、そのどちらもが同じくらいあるはずなのに、見えない未来という時を覗いては、暗闇に心を誘い込まれる。

 

・宇多田ヒカル「Wait&See 〜リスク〜」

人は未来に心を迷わせやすい、恐れを覚えて危険を感じやすい。けれど見えないからこそ生きがいがあるのだ、危険だからこそやりがいがあるのだと見事に歌いきったのは、17才だった宇多田ヒカルである。彼女はその歌詞の最後に占いへの彼女なりの考えをしっかりと主張している。

“リスクがあるからこそ信じることに意味があるのさ
迷わないなんて無理

待つのは得意じゃないけど決めつけるのは早すぎるんだ
占いなんて信じたりしないで”

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