あなたが知らない間に、あなたの財産は次々と奪われてゆく。
あなたの預金通帳の中の財産が誰かに勝手に盗まれているというのは本当か?
・預金通帳の金額は変わらなくても、ぼくたちは中身を盗まれ続けている
・物価の上昇による密やかな盗み
・増税による密やかな盗み
・レジ袋有料化による密やかな盗み
・預金通帳の金額は変わらなくても、ぼくたちは中身を盗まれ続けている
ぼくたちは自分に与えられた生命の尊い健康な時間のほとんどを、自分のためではなく他人の役に立つことをしてお金を稼ぐ。他人の役に立つ労働という行為が、給料をもらうという自分のための必要不可欠な要素へと転換されることから、ぼくたちは労働しなければ生きられないシステムの中から抜け出せずにいる。
労働すれば大抵1ヶ月に1度、給料としてお金がもらえる。しかし例えば1ヶ月に30万円給料をもらったとして、次の給料日までに30万円すべてを使い切ってしまう人はそうそういないだろう。みんな自分の趣味か、老後の心配か、将来への不安のために、給料のうちの何割かは銀行に預けるなどしてコツコツ貯金していいるはずだ。
貯金というのは、その口座の持ち主でなければ大抵は操ることができない。ぼくの貯金はぼくがコントロールするし、あなたの貯金はあなたが支配しているし、それは当然のことである。だからぼくが預金通帳に1000円入れておいて、ぼくが何もいじらなければ、ずっと預金通帳の中身は1000円のままのはずである。もしかしたら利息で5円くらい増えたりするかも知れないが、その数字が増えることさえあれ減ることはないだろう。自分が何もアクションを起こしていないのに、通帳の中の1000円が500円に変わっていたらとんでもないことだし、人は驚きのあまり発狂してしまうだろう。
しかし預金通帳の中の数字が1000円のまま変わらなくても、ぼくたちは預金通帳の中身を奪われてしまっている、というケースが多々存在する。
・物価の上昇による密やかな盗み
その例のひとつが、物価の上昇だ。今だって日本は物価が上がり続けているが、例えば世の中の物価が以前の2倍になってしまったと仮定してみよう。
以前は1000円の食パン1斤が、物価の上昇で2000円になってしまったとする。すると以前ならぼくたちは通帳の中の1000円で食パンを1斤変えたはずなのに、時の流れとともに物価が上がってしまったばっかりに、通帳の中の1000円では食パン1斤を買えなくなってしまう。食パン1斤は物価の上昇とともに2000円になってしまっているからだ。通帳の1000円では1斤を買うことができず、ぼくたちは半斤しか買えなくなってしまった。
通帳の中の数字は「1000円」という数字のまま決して変わりはしないのに、ぼくたちは通帳の中の”価値”が半分になってしまったことに気づくだろう。物価が2倍になると、通帳の中身の価値が半分だけどこかに奪われてしまうのだ。「ふ〜ん、最近物価が上がっているんだなぁ」などとほざきながら、呑気に鼻くそをほじっていることなんてできない。物価が上昇しているということは、ぼくたちの通帳から価値が盗まれているということなのだ。しかも「1000円」という数字は変わらないわけだから、物事をしっかりと見定めない人々には喪失が気づかれにくく、こっそりと密やかに通帳から価値は今も盗まれ続けている。
・増税による密やかな盗み
消費税が上がることだって同じことだ。最近消費税が8%から10%になったが、消費する側からしてみればこれは物価がちょっと上がったのと同じことだ。
先ほどの例からわかる通り、物価が上がれば通帳の中の価値はどんどん下がってゆく。「そうかそうか、消費税が2%だけ上がったのか、まぁ2%だし別にどうってことないだろう」とあくびをしながら鼻くそをほじってはいられない。これから先消費税がますます上がれば、ぼくたちが必死に労働して蓄えた通帳から価値はますます逃げ出して行くことだろう。預金通帳の「1000円」という数字が変わらないからといって、安心していたのでは大馬鹿ものだ。盗みは密やかに、音も立てずに行われている。しかもこの盗みは法律によって守られているので、盗まれているのに決して犯罪にはならない。
・レジ袋有料化による密やかな盗み
もっと最近の世の中の動向からすればレジ袋の有料化だって同じことだ。0円だったものが、いきなり勝手に3円とか5円とかにされたのだ。これもまた物価の上昇と同様であり、ぼくたちはさらに政治という思惑に絡め取られ預金通帳から価値を盗まれている。
「3円のレジ袋くらいでごちゃごちゃ文句を言うなんて馬鹿らしい」と鼻くそをほじくっている者こそ、物事を見定めていない愚か者である。ぼくたちの大切な預金通帳から大いに次々と価値が盗まれているというのに、きちんと物事を見定めないばっかりに何ひとつ気づかずに、所持していた価値が知らない間に半分になっていましたなんて、あなたは耐えられるのだろうか。頑張って努力して労働して蓄えた大切な大切な価値が、知らず知らずのうちに少しずつ継続的に盗み出されていることを、あなたはゆるすことができるだろうか。しかもその泥棒は、法律や規則や環境問題によって守られ、「正しさ」の鎧を常に身にまとっている。さも正しい顔をして自分たちの財布からこそこそと価値を奪い取ってゆくことを、なぜおとなしく見ていることなどできるだろうか。