クレヨンしんちゃんは結構勉強になる!
アニメクレヨンしんちゃんは子供に悪影響だというのは本当か? 〜ぼくが覚えた3つの難しい言葉〜
・クレヨンしんちゃんはただのお下品番組?
・「栴檀は双葉より芳し」
・「李下に冠を正さず」
・「瓜田に履を納れず」
・クレヨンしんちゃんはただのお下品番組?
クレヨンしんちゃんといえば、親が子供に見せたくないお下品な番組として有名である。クレヨンしんちゃんのアニメの中では、しんちゃんが「ケツだけ星人」をしたり「ゾウさん」をしたりするので、確かに親からしてみればあんなことを子供に外で真似されてはたまらない。
お下品であるがゆえに親たちからは嫌われ子供たちからは好かれているクレヨンしんちゃんだが、実は意外と勉強になるフレーズも存在し、ぼくは幼い頃からクレヨンしんちゃんを見ながら難しい言葉やことわざを覚えたりして結構学びになった覚えがある。しかし大人たちはクレヨンしんちゃんを真剣に見ていないので刺激的な「ケツだけ星人」や「ゾウさん」に気を取られ、子供達に役立つ部分を愚かしく見落としているのだ。
それではぼくがアニメクレヨンしんちゃんで小さい頃に覚えた難しい言葉をここで3つご紹介しよう。
・「栴檀は双葉より芳し」
「栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)し」という言葉をご存知だろうか。日常生活では決して使いそうにもないこの言葉を、ふとした瞬間に使ってみると賢そうに見えるのではないか。こんな難しそうな言葉もアニメクレヨンしんちゃんを真剣に見ていると子供の頃から覚えることができる。
これは「風間くんの秘密ノートだゾ」という回で登場する、しんのすけの友達の風間くんの発言である。風間くんはしんちゃんと同じ5歳児なのにこんな発言をすることには驚きだ。「栴檀」という植物は発芽した時から香りを放つことから、大成する種類の人間は幼少の頃から優れているというたとえである。
風間くんの家でかくれんぼしていたしんちゃんと風間くんは、物置で風間くんの赤ちゃんの頃の育児日記を見つける。その中には毎日花丸がいっぱいついていて、この花丸はなんだろうと議論した際に、風間くんが自分で「きっと赤ちゃんのぼくがいいことをした印だよ」と得意になって語り出す。そして「ま、栴檀は双葉より芳しってとこか!」と自信満々に自惚れる。
しかし実際には花丸は「下痢をした回数」であり、風間くんが赤ちゃんの頃にたくさん下痢していたことを示すものだったというオチだった。
・「李下に冠を正さず」
「李下(りか)に冠を正さず」もなかなか日常生活では聞かない難しい言葉である。クレヨンしんちゃんを見ていると、こんな言葉を知っている子供になれる!
「李下に冠を正さず」は、李(すもも)の木の下で冠をかぶり直すために手を上げると李を盗もうと勘違いされてしまうので、そのように疑わしい行為は普段から行うものではないというたとえである。
これは「父ちゃん母ちゃん最大の危機だゾ」という話の中で、ひろしが完全に誤解で不倫を疑われみさえにブチ切れられ家を追い出されたが、結局はみさえの誤解だとわかり、ファミレスで夫婦が話し合っている最中に、みさえがひろしに言い放つ一言である。いつも綺麗な女性に鼻の下を伸ばしているからいざという重要な場面で信頼されないのだとひろしを責めている場面である。
さらにみさえはひろしを責めるために、次の漢語のことわざも言い放つ。
・「瓜田に履を納れず」
「瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず」も本質的には「李下に冠を正さず」と同様の意味を持つことわざである。ウリ畑で靴を履き直すとウリを盗んでいると勘違いされるから、元から疑われるような行為を行うべきではないというたとえである。
こんなにも難しい言葉を教えてくれるアニメ番組を、ぼくはクレヨンしんちゃんの他に知らない。今大人の人に尋ねても、「栴檀は双葉より芳し」「李下に冠を正さず」「瓜田に履を納れず」なんて意味を知らない人も多いのではないだろうか。クレヨンしんちゃんを見ていると、このようにちょっとした教養が自然と身についていたのだ。