人間は何のために、花が美しいと思うのだろう。
花や石や星が美しいというのは本当か?
・人間は色々なものを美しいと感じる感性を持つ
・女性を美しいと感じる合理的な理由
・花や石や星を美しいと感じる不思議
・不思議なものを不思議なまま人生にとっておく尊さ
・武田鉄矢「天まで届け」
・人間は色々なものを美しいと感じる感性を持つ
人間は色々なものを美しいと感じる。今の季節だと日本人は桜の花が美しいと感じるし、世界中どこにいても、人々は花を美しいと感じて愛でている。また世界には様々な種類色とりどりの宝石が存在し、とりわけ女性に好まれ愛されている。また沖縄の離島やサハラ砂漠など光の届かない場所へ行くと、夜空に咲く一面の星空がとても美しく宇宙のようで感動したことを覚えている。星空はこんなにもキラキラと瞬くのか、そして流星はこんなにも頻繁に見えるものだったのかと、今まで生きてきて気づかなかった星空の事実に、暗闇の中で気づくことができる。
ぼくたち人間という生き物は非常に情緒豊かであり、感受性豊かな心を持っており、花や石や星のような大自然における美しいものたちを見つけ出しては、愛でて感動する傾向を持っている。そんな当たり前のことなんて誰も疑問に思わないだろうが、しかしよくよく考えてみると、人間は何のために花や石や星なんて美しいと感動するように心が作られているのだろうか。
・女性を美しいと感じる合理的な理由
花や石や星を美しいと感じて、人間が生物として得することなんて全くないように思われる、にも関わらずほとんど全ての人々が、どのような国に住んでいようとどのような時代に生きていようと、共通して花や石や星を美しいと感じるのだから、それなりの理由があるのだろう。
ぼくが思いついた中で、美しいと感じることを納得できるのは”女性”だ。生物が生きていく上で最も重要な行為は、遺伝子を残すことだと言われている。若い人々は自らのうちから沸き起こる激しい性欲に支配されており、なるほどこれがぼくたちの生まれてきた目的かと納得させられることも多いだろう。男性が女性を美しいと感じることで、生殖的な欲望を高め、興奮を促進し、積極性を高め、めでたく生殖し人間の遺伝子を未来へと引き継ぐために便利であるという観点から、男性が女性を美しいと感じることは合理的であるように思われる。
(しかしだからといって遺伝子を残すのはなんのためだろうと考えれば結局は別になんのためでもない無為な行いなので、女性を美しく感じるのも究極的にはなんのためかわからないのかもしれない)
・花や石や星を美しいと感じる不思議
しかしなんだって花とか石とか星とかを美しいと人間が感じるように仕組まれているのかはてんでわからない。花を美しいと感じたところで花とセックスできるわけでもないし、石を美しいと興味を持ったところで石をボリボリと美味しく食べられるわけでもないし、星に至ってははっきり言って触ることも行くこともできないので美しいと憧れるだけ無駄である。にも関わらず人々はそれらを美しいと憧れ、魅了され、その感性が現在に至るまで文化として受け継がれてきたことには何か理由があるのだろう。
・不思議なものを不思議なまま人生にとっておく尊さ
ここまで長々と書いておいてあれだが、なぜ花や石や星を美しいと人間が感じるのか、考えてみても全然わからない。インターネットで検索して調べてもいいが、そのような行為は情緒のないことだと感じるのでやめておこうと思う。気になる人は調べてみてください、ぼくは調べませんっ!わからない質問を少し残しておいた方が、人生は楽しめるのではないだろうか。
わからないことをなんでもかんでも、なぜだろうどうしてだろうと貪るように検索する姿は人間として美しくないとぼくは感じる。なぜだろう、どうしてだろうと自分でいつまでもなんとなく考えつつ、いつかわかるかな、どうやったらわかるかなとワクワクしながら楽しんで生きることがぼくは好きだ。
ぼくたちは1+1のようにひとつの答えが出ることが決まり切った質問を効率よく解いては褒められるために生まれてきたわけではないのだ。いつまでもわからない、確かな答えなんて見出せない質問を啓示のように与えられたのならば、それを宝物のようにして大事に解決せずに心の片隅にとっておこう。そんな質問があったこともはるか記憶の彼方に忘れ去ったときになってはじめて、ふと世界が答えを与えてくれるということがあるのだ。そのような瞬間は、筆舌に尽くしがたい人生の輝かしい瞬間だ。誰とも共有できない、誰にも知られることのない、自分の中だけのかけがえのない答え合わせだ。そのような瞬間を味わうために、ぼくたちは生きているのかもしれない。
抽象画のようによくわからない、けれど心に刻み込まれ気になるような自分だけの質問を、心の中に大切に隠して生きていこう。
・武田鉄矢「天まで届け」
おいら優しい歌が聞きたいな
誰か本気で歌ってくれないか
この世に生まれた生き物たちで
花を見つめて微笑んだのは人間だから
流れる涙は人間だから
弱いあなたは人間らしい
おいら静かな歌が好きだよ
下手でもそっと歌ってくれないか
夜空の星のひとつひとつに
綺麗な名前をつけたのは人間だから
流れる涙は人間だから
弱いあなたは人間らしい
迷っていいのさ人間だもの
いつか強くなる人間だって