人間が自分の意思で生きているというのは本当か? 〜自律神経について〜

 

ぼくたちは生きてるんじゃなく生かされている。

人間が自分の意思で生きているというのは本当か? 〜自律神経について〜

・ぼくたちは自分の意思で動いているかのようだ
・ぼくたちの心臓は勝手に動いている
・自分の体なのにぼくたちは腹痛をコントロールできない
・自律神経について
・動物とは意識と無意識の混合
・大いなる存在への到達

・ぼくたちは自分の意思で動いているかのようだ

ぼくたちは日常生活において、自分自身の考えている通りに自分の肉体を動かせると信じている。歩こうと思えば歩けるし、走ろうと思えば走れるし、座ろうと思えば座れるし、手をのばそうと思えばのばせるし、たしかに自分の思い通りに自分の肉体を動かし、自分の思い通りに生きていられるような気がする。

しかしちょっとよく自分の肉体を観察してみれば、そこには自分の思いや考えとはまった区別の次元で動いているものが多々あるということに驚かされる。

 

 

・ぼくたちの心臓は勝手に動いている

たとえば一番わかりやすいのは心臓の動きだ。ぼくたちは自分の心臓を動かそうとして動かしていることは決してない。なぜかわからないけれど、意味不明なまま、ただ自分の意思とはまったく関係のないところで心臓は勝手に動いているのだ。心臓よ動け!と思って動かせている人はいないし、心臓よ止まれ!と念じればそのとおり止まるような心臓もないだろう。

ただ動いているだけではない。心臓はぼくたちの肉体に適切に酸素が供給されるように、ぼくたちの肉体の状況に応じて、脈拍や血液供給量を調整してくれている。

 

・自分の体なのにぼくたちは腹痛をコントロールできない

胃や腸の動きも、自分の意思により動かせる類のものではないだろう。ぼくたちは日常生活においてたまにお腹が痛くなったりお腹を壊したりすることがあるが、誰も自分の意思でお腹が痛くなってほしいと思ってお腹が痛くなっている人はあるまい。電車の中でお腹が痛くなったりするとものすごく都合が悪いので可能な限り生じてはほしくないものだが、こちらの生活している人間の意見など無視して、腸は勝手に自分の基準で働き、ぼくたちに腹痛や下痢や便秘をもたらしたりする。

自分の意思で腹痛をコントロールすることができたら、どんなにか快適な生活が待っていることだろうか!

 

・自律神経について

このように人間には自分の意思で動かせる「運動神経」の他に、自分の意思とは無関係に勝手に人体を調整してぼくたちの肉体をふさわしい状態に保とうとする種類の神経が存在する。その神経のことを「自律神経」という。

自律神経はぼくたちが思う以上に、ぼくたちの生活に大きな役割を果たしているし、その影響力は大きい。既述したように心臓や脈拍の調整も自律神経の働きだし、胃や腸などの消化管の調整も、瞳孔が光の量に応じて大きくなったり小さくなったりするのも、体温が上がったときに汗をかくのも、呼吸の調整も、性的興奮時に勃起するのも射精の調整も、すべて無意識のうちの自律神経の働きによる。また排尿や排便は、自分の意思による運動神経の働きと無意識のうちの自室神経の働きの見事な組み合わせによって起こる繊細で複雑な作業である。

 

 

・動物とは意識と無意識の混合

このように見ていると、ぼくたちは自分の意思で自分の肉体を動かしているように見えて、実は自分自身で支配できていない体の機能が多数存在していることに気がつく。むしろ自分の意思が届かない無意識の領域で突き動かされている部分がぼくたちの生活の大部分を占めており、ぼくたちは自分で生きているつもりで自分の意識ではない不思議な力によって生かされているのではないだろうか。

自律神経は無意識のうちにぼくたちの肉体を大いに支配している。無意識のうちに突き動かされているなんて、まるで自律神経に支配されているぼくたちの肉体は植物のようだと感じられる。樹木や草花は、自らの意識がなくとも自動的に水や養分を吸収し、またエネルギーを作りだして生命活動を営んでいるように見える。自分の意思とは別のところで自動的に生命活動を支えられているという点では、動物の自律神経の次元と合致する。

動物とは、運動神経という自分の意識下で動く動物的次元と、自律神経という無意識下で自動的に動かされる植物的次元との混合ではないだろうか。動物の中にも、植物は密かに潜んでいるのだ。

 

 

・大いなる存在への到達

ぼくたちが自分の肉体のことなのに自分では決められない、自律神経の働きは誰が支配しているのだろうか。ぼくたちにお腹が痛くなったり、汗をかいたり、勃起したり、涙を流せと支持している者は誰なのだろう。ぼくたちの脳だろうか。それでは、脳にそう思うように命令しているのは誰だろう。そのようにすべてを根源まで突き詰めていくと、ぼくたちは思いもよらなかった、大いなる存在に気がつく。

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