ジョヨボヨの預言とは?!インドネシアが反日であるというのは本当か?2

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痩せた年寄りは責めるように…。

ジョヨボヨの預言とは?!インドネシアが反日であるというのは本当か?2

・ぼくの壮大なインドネシア横断の旅
・松任谷由実「スラバヤ通りの妹へ」の中の痩せた年寄り
・インドネシアが反日であるというのは本当か?
・「ジョヨボヨの預言」によって日本軍はインドネシアの人々に歓迎された
・戦争についてたくさんの意見を聞き入れる重要性
・インドネシアの独立宣言には皇紀が使われていた!
・勝とうが負けようが貫かれる真実の光を求めて
・インドネシア横断の旅の記事一覧

・ぼくの壮大なインドネシア横断の旅

ぼくは2018年、バリ島から船でジャワ島の東の果てに渡り、そこから西に位置する首都ジャカルタまで鉄道でたどり着こうとする「インドネシア横断の旅」を実行した。

元々はインドネシア横断なんてするつもりはなかったが、友達と一緒にバリ島でリゾートしようということでバリ島までやって来て、そこでせっかく人生初のインドネシアに来たのだから横断でもしてみるかと思い立ったのだった。友達は仕事があったのでバリ島で別れ、ぼくひとりでインドネシア横断の旅へと出発した。

 

 

・松任谷由実「スラバヤ通りの妹へ」の中の痩せた年寄り

さてインドネシアを横断すると言ってもぼくはインドネシアのことをほとんど何も知らなかった。唯一インドネシアのことで知っていることといえば、松任谷由実さんの「スラバヤ通りの妹へ」という名曲がインドネシアの歌だということだった。その歌の中にはこんな歌詞がある。

”妹みたいね15のあなた
髪を束ね前を歩いてく
籠の鳥や不思議な果物に
埋もれそうな朝の市場

痩せた年寄りは責めるように
私と日本に目を背ける”

「スラバヤ通り」とはインドネシアの首都ジャカルタにある通りの名前である。ユーミンのインドネシア旅行の体験をもとにしたであろうこの楽曲は、行ったこともないインドネシアの素敵で不思議な風景が目の前に現れてくるような、まるで絵画のような歌詞が印象的な名曲である。

松任谷由実の名曲「スラバヤ通りの妹へ」に導かれ、インドネシアの首都ジャカルタのスラバヤ通りへ行って来た

らっさーさーやんげー!松任谷由実「スラバヤ通りの妹へ」内の歌「Rasa Sayang」がインドネシア人に通じて感動した話

そんなインドネシアの風景を情緒的に描いていた歌詞の中に、突如として「痩せた年寄りは責めるように 私と日本に目を背ける」というような、政治的、歴史的な歌詞が出てくるのでドキッとさせられる。「のどかなインドネシアの風景」と「戦争の悲しい歴史の暗示」を同時に同じ歌詞の中で表現することにより、歌詞の風景に抑揚というか、コントラストをつけようとするのはまさにユーミンの狙いなのかもしれない。まさにその狙い通り、ただのインドネシアの美しい風景を描写されるよりも、より一層心に残る歌詞となっている。

しかしこんな歌詞を書かれてしまっては、インドネシアに行ったことのない人々からしてみれば、なんだかインドネシアを旅したくないような気分にさせられはしないだろうか。それはインドネシア人が、戦争にまつわる記憶によって日本人を憎んでいる、今でも恨んでいるというのだという印象を与えられてしまうからである。インドネシアのことなんて何も知らないが、この歌詞を見る限り、まるでインドネシアが中国か韓国のように、戦争の恨みで反日となり日本人をよく思っていないように思い込まされてしまう。本当にインドネシア人は反日で、日本人を恨んでおり、歌詞のように日本人を責めてくるというのだろうか。

 

・インドネシアが反日であるというのは本当か?

そんなことは全くないことが、実際にインドネシアを旅した者だけに実感させられる。ぼくはバリ島からフェリーでジャワ島へ渡り、ジャワ島全土を鉄道で旅して回ったが、日本人だからということで敵意を向けられないのはもちろんのこと、嫌な思いをしたことすら一度もなかった。それどころか誰もが日本人のぼくにとても優しく接してくれたし、さらにインドネシアと日本の意外な文化のつながりを感じることができた。それは五輪真弓の「心の友」という歌である。

ぼくは神秘的な青い溶岩が見えるというジャワ島東端の「イジェン山」をトレッキングしている途中、インドネシア人のガイドさんに「ココロノトモとはどういう意味だ?」と尋ねられた。ぼくは「心の友」という発言をする人はドラえもんのジャイアンだけだという認識を持っていたので、そのガイドさんに「それは親友という意味だけど、日常生活ではあまり使わない。ドラえもんって知ってる?じゃあのび太って知ってる?ジャイアンって知ってる?そうそうあのデカいやつ!あのジャイアンしか心の友という言葉しか使わないよ!心の友とは、ジャイアンのための言葉だ!」と正しいんだか間違っているんだかよくわからない自分の中の「心の友」の認識について語って聞かせた。

インドネシア第2の国家!インドネシア人が日本の歌謡曲・五輪真弓「心の友」を完璧に歌いこなすので驚愕した

するとそのガイドさんは、インドネシアでは五輪真弓の「心の友」という歌が非常に有名で、誰もが歌うことができると言いながら、なんと日本語で「あなた〜から くるし〜みを うばえたそのとき〜」と完璧に歌い出したのだ!後で調べてみると五輪真弓の「心の友」は第2の国歌とも言われるほどインドネシアで定着している楽曲らしい!

ぼくは五輪真弓という人もあまり知らなければ、「心の友」という楽曲ももちろん知らなかったので驚きしかなかった!何よりカバーとかではなく、日本の楽曲が日本語でインドネシアの国歌と言われるほど愛され、それを誰もが歌えるという事実に感動するしかなかった。インドネシアなんて日本からものすごくてあまり関わりのない国だと思っていたが、ぼくは日本とインドネシアの関係についてもっと知りたいと思うようになった。それもこれもインドネシア横断の旅が感動的な旅情に満ちていたからに他ならない。ぼくは初めて訪れたインドネシアが大好きになったのだ。

 

・「ジョヨボヨの預言」によって日本軍はインドネシアの人々に歓迎された

日本とインドネシアの関係を示す本で、最も衝撃的だったのは「日本が戦ってくれて感謝しています2」という本だ。ちょっと怪しそうなタイトルだが日本とインドネシアの戦争について詳しく書かれているということで購入してみた。この本の中には数々の衝撃的で面白い記述があって非常に心に残っている。

特に印象に残っているのは、インドネシアに古くから伝わる「ジョヨボヨの預言」についてである。この本によると、アメリカが主導した「ABCD包囲網」(アメリカ、イギリス、中華民国、オランダによる対日包囲網)によって、原油をはじめとする工業資源を入手できなくなった日本は、国家の存続のためにアジア最大の油田地帯たる蘭印(インドネシア)を獲得しなければならなくなった。またこの自存自衛の戦いとなった大東亜戦争に勝利するためにも、蘭印の油田地帯の確保は必要不可欠だった。

当時オランダに支配されていたインドネシアの人々は、日本軍が落下傘(パラシュート)によって空から降りてきたらオランダ軍に報告するように命令されていた。にもかかわらずインドネシア人はオランダ人に報告するどころか、日本軍を歓迎し受け入れたのだという。果たしてなぜなのか。大東亜戦時中にインドネシアで戦った経験のある人々は、異口同音にインドネシア人の親日感情を絶賛し、地元に伝わるある「神話」を口にする。

それは”わが民族が危機に瀕する時とき、空から白馬の天使が舞い降りて助けに来てくれる”という内容であり、その神話は「ジョヨボヨの預言」と呼ばれているという。12世紀に東ジャワのクディリ王国のジョヨボヨ王が遺した「バラタユダ」なる民族叙事詩の中には”空から黄色い人がやってきて、これまで支配していた白い人を追い払う”といった予言が綴られているのだ。

この神話はインドネシア全土およびマレー半島の一部にまで伝えられおり、この神話を現地の人々は皆信じていることから、日本軍をまるでオランダを追い払ってくれる救世主のように扱い、インドネシアでの戦いにおいて神話が日本軍の見方をしてくれたと言われる。そして「ジョヨボヨの預言」通り、350年間インドネシアを支配し続けてきたオランダを、日本軍は9日間で追い払うことができたという。そしてインドネシア人が自分たちの力で独立し国を作れるように準備を整えたというのだった。

 

 

・戦争についてたくさんの意見を聞き入れる重要性

やはり戦争というのはひとつの意見だけ聞いていても全く意味がないとこの本を読んで納得させられた。この本「日本が戦ってくれて感謝しています2」は題名からしても明らかに戦争中の日本を称賛する本だが、ユーミンの歌「スラバヤ通りの妹へ」は暗示的に、日本はインドネシアに対してひどいことをして老人たちはそれをまだ根にもっているんだよという思いが伝わってくる。

日本はインドネシアに対して素晴らしい行いをしたし、白人たちにことごとく支配されていたアジアを第二次世界大戦をきっかけとして追い払うことに貢献したと主張する「日本が戦ってくれて感謝しています2」と、日本はアジアに対してひどいことをいっぱいしたのだからまぁ反省でもしたらという思いも感じられる「スラバヤ通りの妹へ」は、果たしてどちらが本当なのだろうか。それは見る人によってどちらともとれるのかもしれないし、どんな思想を持った人が歴史を語り継ぐかによっても変わってくるだろう。ぼくたちは片方だけではなく多くの意見を聞き入れ、自分で調べたり考えたり実際に現地の人と話したりしながら、自分なりの思想を形成していくしかないのではないだろうか。

 

 

・インドネシアの独立宣言には皇紀が使われていた!

もうひとつ衝撃だったのはインドネシアの独立宣言文の日付が、なんと西暦ではなく日本の皇紀で「17-8-05’」と書かれているという点だった。05’というのは皇紀で2605年を意味する。皇紀というのは天皇にまつわる年号だから当然日本にしかないものだ。インドネシア人が日本に親しみや感謝を感じることなしに、インドネシアの独立宣言という貴重な文章に「皇紀」なんて入れるはずがあるだろうか。

実際にぼくがインドネシアの地を這うようにして横断して感じたのも、ユーミンの歌の中にある日本人の戦争の罪を責めるような瞳ではなく、日本人に興味や親しみを持つインドネシアの人々の素朴な心だった。もちろん一度旅したくらいではその国の本当の姿を見極めることは不可能であるのは百も承知だが、だからと言ってなんの感想も発信しないのでは旅をした甲斐がないのでここにきちんと書いておこうと思う。

この「日本が戦ってくれて感謝しています2」の本には、日本が大東亜戦争を通して長年の西洋植民地支配からアジアを解放したのだという観点から話が進められており、とても興味深い。日本がアジア中の西洋の植民地支配を解放したのだという世界中の人からの意見も紹介されており、自分の中の第二次世界大戦についての意見を成立させるための参考にもなる。学校や周囲の大人から教えられるものだけではなく、もっと幅広く本やインターネットの意見も取り入れつつ自らの意見を熟成させることが重要だろう。

 

・勝とうが負けようが貫かれる真実の光を求めて

日本は戦争に負けたのだから、日本が悪者だという植え付けや洗脳や教育が世界中で成されていることは当然だと見なすべきだろう。戦争に負けるとはそういうことであり、暴力や殺人が得意な国が勝利者として正義をふりかざし、世界中の正しさを無理矢理に押し付けて決定していく。一方で暴力や殺人の得意ではない敗戦国は、世界中から悪者であると罵られ、それに抗うすべもなくやがては自分自身でさえ自分は悪者だと思い込むようになる。

しかし勝ち負けに依存しない正しさは、果たしてどこにあるのだろうか。どの国が勝っても、どの国が負けても、これこそが真実なのだと教え諭してくれる光はないのだろうか。いつの世だって、どこの国だって、勝った者が世界中の正しさを決定できるのだ、そのようにして正義は形作られていくのだというのなら、本当の正義や正しさなんてどこにもなく、ただこの世には暴力と殺人によって勝ち取る傲慢な洗脳が残るだけだろうか。

ぼくたちはたまに負けるし、たまに勝つ。そのたびに引き起こされる正義や正しさの嵐や押し付けは、果たして本当なのだろうかと常に疑わなければならない。ぼくたちはたまに勝者になるし、たまに敗者になる。だからこそ決して傲慢にならずに、決して謙虚にならずに、どこにもないかもしれない本当の光を追い求める心を失くしてはならない。

旅のさなかでアジア人に日本軍の戦争の罪を責められたが、最終的には日本人を尊敬してもらえた話

 

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