集団の幸福が個人の幸福であるというのは本当か?

 

けれどもぼくたちはそれを既に知っている。

集団の幸福が個人の幸福であるというのは本当か?

・労働
・悪人
・部品
・集団極性化
・多数決
・暴走
・集団

・労働

ぼくたちは労働する
最も若く、最も美しい時間を、役立つということに与えて
最も健やかで、最も戻らない時間を、便利ということにあてがって
ぼくたちは与えて、ぼくたちは失くして、ぼくたちは削られて

目指されるのは繁栄 ぼくたちが属するものの繁栄
ぼくたちが与えた美しい大きな時間の代わりに
ぼくたちが与えられたほんの少しのお金という価値の幻
かけがえのないものなのに、代えられてしまった価値

縮小されたぼくの美しい時間を
返してくれと誰に泣けばいい
収束されたぼくのかけがえのない時間を
返される術を誰に問えばいい

誰も知らない、誰も知らない
誰もが労働の渦の中
誰も知らない、誰も知らない
誰もが役立ちの鞘の中

人の役に立たないと生きてはいけないというのは本当か? 〜労働について〜

 

・悪人

盗まれた時間を、返されることがないのなら
奪われた時間を、ゆるされることがないのなら
奪い返してやるまでだ、清らかに生きるために
盗み返してやるべきだ、ぼくたちの尊厳のために

ぼくたちが正しく生きるためだけに
ぼくたちは盗む人になる
ぼくたちがふさわしく生きるために
ぼくたちは罪の人になる

そんな悪もあるのだろう
この世の中ではなにもかも
悪と呼ばれない悪であふれている
悪と呼ばれる清らかさがあふれる

悪人は地獄へ落ちるというのは本当か? 〜悪人正機という思想〜

 

・部品

家というものがある 街というものがある 国というものがある
すべては繁栄を期待される
男というものがある 女というものがある 人というものがある
すべては生贄を担わされる

ぼくたちは部品だ 製造された部品だ
機械が大きく回るために仕組まれた部品だ
全体になれない 総体になれない
命を満たして生まれてきたのに

すべてが稼働されるなら
ひとつが欠けても構わない
代わりなどいくらでもいるのだから
かけがえのない存在などない

 

 

・集団極性化

部品たちが無数に集まれば
穏やかな風は吹かない
どこまでも傾きをけしかける
集団には悪魔が住んでいる

やがて人を飲み込んでいく
やがて人を誹っていく
やがて人を妬んでいく
やがて人を殺していく

常に我を愛している
常に過去を愛している
常に思想を愛している
常に血を愛している

部品たちが全体を作り上げれば
吹き荒ぶ風は消えない
倒れ込むまで傾きはけしかける
集団には悪魔が住んでいる

 

・多数決

多いものが正しいものだと
誰かが叫んでいる
小さきものは見えぬものだと
踏みにじる声が聞こえる

多いことが支配を得るぞと
血眼になって叫んでいる
少なきものは絶えるべきだと
蔑みの心が殴りつける

 

 

・暴走

全体が暴走する
もう誰にも止められない
いつの間には自分自身さえ
止められない波を構成している

総体が加速する
滅びへと導かれる
生まれたものは滅びる定め
気が付いた頃にはすべて消えている

 

 

・集団

目指されるのは繁栄
ぼくたちが属するものの繁栄
あらゆる個人は集団に巻き取られ
構成することから逃れられない定め

ぼくたちの美しく大きな時間
そして与えられるほんのわずかな価値
そのわずかなものからさえ奪い去られ
ぼくたちは集団の繁栄を助けた

集団の幸福は個人の幸福に等しいと
集団たちは盗みの正当性を主張する
けれどもぼくたちは既に知っている
集団というものの愚かな正体を

絶対に税金を支払わなければならないというのは本当か? 〜義務という思考停止の言葉〜

 

 

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