医師がコロナワクチンの問診で困ったこと5選!問診でトラブルが起こるというのは本当か?

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医師がコロナワクチンの問診で困ったこと5選!問診でトラブルが起こるというのは本当か?

・医師のコロナワクチンの業務には「問診」と「経過観察」の2つがある
・医師が担当する「問診」の役割とは?
・医師が担当する「経過観察」の役割とは?
・医師がコロナワクチンの問診で困ったこと5選を挙げてみる
1.アナフィラキシーとアレルギーの違いが曖昧
2.抗凝固薬と降圧薬の違いがわからない
3.あえて距離を取っている椅子が段々と近づいてくる
4.医者であっても医学以外の制度のことをたくさん聞かれる
5.予定があるから経過観察せずに帰りたいと言う
・医師のコロナワクチンバイトの給料の詳細についてはこちら!
・医師が実際にコロナワクチンを打ってみた感想はこちら!

・医師のコロナワクチンの業務には「問診」と「経過観察」の2つがある

ぼくは3年間医師として働き、辞めて、3年間旅人として世界と日本を巡って来た。まだ貯金は余っているので旅を続けていくこともできたが、今しかできないせっかくの機会なのでコロナワクチンの業務に医師として参加してみることにした。

医師のコロナワクチン接種会場の役割としては主に2種類がある。普通に考えれば医師が予防接種の注射を打ってくれそうな気がするが、予防接種を打つのは実際は看護師さんがやってくれていることがほとんどだ。予防接種を看護師さんに任せることで、医師は医師にしかできない業務を任されている。それは「問診」と「経過観察」の2つである。

 

 

・医師が担当する「問診」の役割とは?

「問診」とは受付を済ませて来た人からお話を伺い、今日の体調や既往歴、内服薬、アレルギーの有無などを確認し、医学的な観点からこの人はこれから予防接種を打ってもいいかどうか見極めることだ。医学的にこの人はこれから予防接種を打ってもいいかどうか許可を出す「問診」は医師にしかできない重要な業務だ。医師が問診票にサインをし、これからワクチンを打ってもいいと許可を出したなら、その後ですぐ実際に予防接種を受けてもらうシステムとなっている。

医師の問診業務の詳細は以下の記事にまとめました!

医師のコロナワクチン問診バイトを徹底解説!問診の業務は楽だというのは本当か?

 

・医師が担当する「経過観察」の役割とは?

実際に予防接種を受けた後には、どんな人であっても15分座って待機してもらい、ワクチンを接種したことによって体調が変わらないかどうかしっかりと確かめてから帰ってもらうシステムになっている。またアナフィラキシーの既往があったり、注射による迷走神経反射の既往があったり、コントロール不良の喘息を持ってたりする人は、要注意ということで30分座って待機して経過観察することになっている。つまり予防接種を終わった人はみんな、間隔をしっかりあけた椅子に並んで座って待ってもらうことになっているのだ。

この経過観察のスペースには、医師1人と看護師数名が待機することになっている。もしも何らかの副反応が出現した時に、すぐに対応できるようにするためだ。ぼくはコロナワクチン業務の初日がこの経過観察担当で、240人の予防接種が終了した人々をひたすら注意深く観察し続けた。実際に1日で副反応や体調不良の人がどのくらい出たのかは、以下の記事にまとめました!

医師のコロナワクチンバイト体験記!経過観察の業務は大変だというのは本当か?

 

・医師がコロナワクチンの問診で困ったこと5選を挙げてみる

問診と経過観察の割合を考えると、圧倒的に問診の業務の日が多い。ぼくも問診を数日間経験して段々とコツを掴んできた。医師として問診業務を経験して、こういう困ったことがしばしば起こるなぁとか、こういうトラブル(というほどでもないけれど)があるなぁというのが何となくわかってきたので、ここで5つまとめてみようと思う。

 

1.アナフィラキシーとアレルギーの違いが曖昧

問診において、アナフィラキシーにかかったことがあるかを聞き取ることは重要だ。アナフィラキシーの既往があれば、十分注意してワクチン接種を行わなければならないし、ワクチン接種後の経過観察も30分してもらう必要がある。しかし医療者ではない一般の人にとって「アナフィラキシー」という言葉は馴染みのないものらしく、たまにただのアレルギーのことをアナフィラキシーだと思っていそうな人も見受けられる。

アナフィラキシーとは命に関わる重症のアレルギー反応のことで、皮膚症状や呼吸器症状、消化器症状や神経症状のうちいくつかが同時に出現する重篤な状態だ。問診していると「アナフィラキシーにかかったことがある」という人がいてドキッとするが、よく聞いてみると「アナフィラキシーになって病院に行ったけれど入院せずに帰った」と言う人がいて、アナフィラキシーという重篤な状態になったのに入院しないで帰るなんてありえないよね?!と思ってしまうこともあった。「それって本当にアナフィラキシーと言われましたか?アレルギーではなくて?」と尋ねてみたが、本人はそれをアナフィラキシーだと言い張るので本人の言うことを信じて対応するしかなかった。

アナフィラキシーとただのアレルギーだとやっぱり全然違うので、どちらだったのか明確にしてもらいたいが、高齢者だとやはりそこのところが曖昧になったり難しくなってしまう傾向があるようなので注意が必要だった。

 

2.抗凝固薬と降圧薬の違いがわからない

また問診票には「血液サラサラの薬」を記入する欄が設けられている。つまり抗凝固薬を普段から内服している人はここにその薬剤名を記入してもらい、そのような人はワクチン接種後に一般の人よりは血が止まりにくいので、2分間しっかり接種部位を押さえてもらうように指導する必要があるのだ。

しかしこの「血液サラサラの薬」というのが何のことかわからない人が接種者の中に散見された。「血液サラサラの薬」の欄に降圧薬の名前を記入する人が意外と多いのだ。「血液サラサラの薬」とは抗凝固薬のことであり、血を固まりにくくして血栓を作りにくくする作用のある薬だが、降圧薬というのは高血圧に対する血圧を下げる薬で全くの別物だ。しかし医療者ではない一般の方の中には、抗凝固薬と降圧薬の違いがわかりにくい人もいるらしく注意が必要だった。

「血液サラサラの薬」の欄に降圧薬を記入した人には、2回目の問診票でも同じように書いてしまわないように、抗凝固薬と降圧薬の違いを丁寧に説明した。

 

3.あえて距離を取っている椅子が段々と近づいてくる

問診の際の医師の席とワクチン接種者の席は、コロナ感染防止をふまえてある一定の距離が取られている。つまり医師とワクチン接種者の距離はソーシャルディスタンスを保つためにあえてちょっと遠めに離されているのだ。しかしワクチン接種者の方は問診時に医師との距離が遠いのが不安に思うのか、せっかくわざと席を離しているのに着席時に無意識に椅子を医師に近い方に移動させて座る傾向がある。

結果的に医師とワクチン接種者の2つの椅子が問診が進むにつれてちょっとずつ近づいてくるので、何度もワクチン接種者の椅子を遠くに設置し直さなければならないのはちょっと困っている。別に椅子を設置し直すことくらい大した労力も使わないので問題ないのだが、やはり問診時でも感染予防のために意識して距離を取ってもらえるように気をつけてもらえるとありがたい。

 

4.医者であっても医学以外の制度のことをたくさん聞かれる

ぼくは医師としてコロナワクチン接種会場にいるので、医学のことはわかるが予防接種がどのように進んでいくのかその会場の仕組みは最初わからないままだった。特に説明もされないし、打ち合わせもないし、まぁ医師は医学のことだけ見てくれればいいというような雰囲気があった。

しかし実際にコロナワクチンを打ちに来た人々は、あまりこの人は医者だとか市役所の人だとか派遣の人だとかあまり考えずに、そんなこと関係なくいろんなことを聞いてくるので最初は戸惑った。2回目の予約はどうしたらいいのかとか、接種券はどこで返してもらえるのかとか、ワクチン接種できる大きな病院は紹介してもらえるのかとか、そういう仕組みとか制度のようなことは全然知らなかったので困惑した。

しかし医者であっても医学のことだけではなく、管轄外であってもいろんな仕組みや制度のことも聞かれてしまうのだからこれは把握しなければならないとわかり、徐々に覚えてきちんと対応できるようになった次第だ。

 

 

5.予定があるから経過観察せずに帰りたいと言う

コロナワクチンの予防接種を受けてもらった後は、普通の人なら15分間、要注意の人は30分間待ってもらうことになっている。

医師のコロナワクチンバイト体験記!経過観察の業務は大変だというのは本当か?

この何もせずに座っている経過観察の時間は意外と長いらしく、みんな退屈そうに座っている。別に何も起こらないのに15分も待つのかぁというような雰囲気が会場に満ちているのを何となく感じる。中にはこの後約束があって急いで帰らないといけないから、15分経ってないけれど帰ってもいいかと聞いてくるおばちゃんなどもいて困惑した。予防接種なんてどれくらいかかるかわからないんだからその後すぐに予定なんて入れないでよーと心の中で思いつつ、そんな重要な約束ではないらしいのできちんと15分待ってもらった。重要ではない約束と健康だったら、ぜひとも健康の方をとっていただきたい。というか予防接種の後の約束は時間に余裕を持ってほしいな!

 

 

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