お金の話が下品だと感じる理由は武士道にあり?!金儲けが悪いことだというのは本当か?

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お金自体はよくも悪くもなく中立だ!!!!!

お金の話が下品だと感じる理由は武士道にあり?!金儲けが悪いことだというのは本当か?

・金儲けが悪いことだというのは本当か?
・労働は正義なのに、その結果としての金儲けは悪だという矛盾
・金儲けは資本主義社会では逆に尊敬されるはずの行為
・武士道の経済観念では、金銭そのものを嫌っていた
・西洋的な資本主義社会になっても、日本人の心の奥底には武士道がまだ眠っている
・ぼくたちはお金の話が自由にできる環境を整えるべきだ

・金儲けが悪いことだというのは本当か?

日本語で「金儲け」というと、必ず悪いイメージが付きまとっていることを日本人ならば誰もが感じるだろう。また同様に「金を稼ぐ」という言葉にも、決していいイメージはない。しかしこれはとても不思議なことだ。なぜなら人間なら誰しもお金を稼ぎ、お金を儲けないと生きられない運命にあるからだ。お金を稼ぐというのは人間にとって必要最低限の当たり前の行為なのに、どうしてそこまで世間に毛嫌いされてしまうのだろうか。

世の中を観察していると、お金は人間を突き動かす原動力になっている。ほとんどの人間は大人になれば労働をするが、その主要な目的はお金を稼ぐことにあるのは明らかだ。お金がなければ食べるものも買えず、住むための家賃も払えず、また人間として標準的で文化的な生活を送ることが困難である。人間には動物としての生き延びたい、生き残りたいという確固たる本能があるので、そのためにお金を稼ぐことは自然な成り行きだろう。本来なら生き延びるために自分自身で動物の狩りをしたり、作物を収穫したり、頑丈な家を作ったり、布を織って衣服をこしらえたりするのだろうが、文明が発達してしまった現代の人間社会においてはそれらの作業を直接行うというよりはむしろ、お金という媒介を通してそれらの作業を他人任せにし、自分は全く別の得意分野の作業(労働)を行うことによってお金を手に入れ、常に他人任せを維持し続けられるようにその人生のほとんどを労働に費やすのである。

人間として必要最低限の生活を維持し続けたいという自然な願いが、全ての人間を労働へと突き動かし、お金という媒介をひたすらに追い求めながら、人間の若く健康な時代のエネルギーはその大半が労働へと注ぎ込まれる。

 

 

・労働は正義なのに、その結果としての金儲けは悪だという矛盾

労働をするということは、すなわち他人の役に立つ行動をするということを意味するが、お金を手に入れるというそれより最も大きな目的の観点から言えば、労働とは自分の生活のためにお金を稼ぐということと同義である。

世の中では労働しない人は、かなり否定的に扱われる。無職であるということを他人に言うことは憚られ、無職であるということが発覚すれば労働をするべきだという意見が四方八方から飛んでくるだろう。それほどに人間社会の中では「労働=正義」で「無職=悪」なのだ。先述したように労働とはお金を稼ぐこととほぼ同義なのだから、労働が徹底的に肯定されるのに対して金儲けが否定的な視線を浴びるということは非常に矛盾した状態であるとぼくには感じられる。

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・金儲けは資本主義社会では逆に尊敬されるはずの行為

詐欺や騙しやズルでもない限り、お金をたくさん稼げるということはそれなりに仕事を一生懸命頑張っていたり、特別な高い能力を発揮していたりするのだろう。金儲けをするということは大抵の場合、労働を必死に頑張って大いに人々の役に立っているということに他ならないのに、どうしてそこまで見下される理由があるというのだろうか。逆に金儲けしている人というのはたくさん労働して、たくさん人の役に立って、たくさんの税金を納めて、社会や国家を支える主役になっているのだから、むしろ尊敬されるべきではないだろうか。

そもそも資本主義というのは、競争によってお金をたくさん稼いでお金をたくさん蓄えている人が偉いという思想だったのでないだろうか。日本の経済も資本主義のシステムで動いているにも関わらず、金儲けが悪だという雰囲気が世の中に蔓延しているということは、資本主義の思想がきちんと根付いていない証拠だろうか。

 

 

・武士道の経済観念では、金銭そのものを嫌っていた

たくさん労働して、高い能力を発揮して、多くの人々の役に立って、それによってお金儲けすることやお金を稼ぐことが悪だという風潮が日本にあるのはどうしてなんだろうと不思議に思っていたところで、全く関係なさそうな「武士道」の本を読んだ。するとそこには武士における経済観念について説明されており、あぁ日本人の金儲けがよくないことだという思想の根源はこれかもしれないと思い当たった。以下はその文章の写しである。

さむらいは金銭そのものを嫌い、儲けることや貯めることを軽蔑する。さむらいにとって金銭は不浄なものだった。堕落した世の中を表現する決まり文句も「文民は金銭を愛し、武士は命を惜しむ」というものであった。金銭や命を出し惜しめば非難され、気前よく差し出せば賞賛された。よく言われる教訓にも「何より金銭にとらわれてはならない。富めば知恵が出なくなる」というのがあるほどだ。したがってさむらいの子供は、経済とは全く無縁のままで育てられた。経済のことを口にするのははしたないこととされ、貨幣の価値を知らないことはむしろ育ちがいい証拠だとされた。

数の知識は、軍勢を集めたり、恩賞や知行の分配をするのに不可欠ではあったが、金勘定は身分の低い者の手に委ねられた。多くの藩において、財政は下級武士や僧侶が担当した。道理をわきまえた武士ならば、金がなければ軍資金すら賄えないことをよく知っていたが、それでも金銭を大事にするのを美德だとするまでには至らなかった。

武士道が節約を旨としていたのは事実であるが、それは経済的な理由からではなく、節度ある生活を送るためであった。贅沢は人間の最大の敵だと考えられ、さむらいは極度に質素な生活を送ることが求められた。そのため多くの藩では贅沢を禁止する法律が出された。

歴史書を読むと、古代ローマでは、税金の取り立てなど、金銭を扱う役人が騎士に抜擢されたりしている。ローマ帝国が財務担当者の役割や、金銭そのものの重要性を大いに評価していたことがわかる。そのことが、ローマ人が贅沢で強欲だったということと大いに関係しているであろうことは想像がつく。武士道ではそうではなかった。財務的な知識は低く評価され、道徳的、知的な素質より下に見られていた。

したがって武士道は、金銭や金銭欲を努めて無視していたため、金を原因とする様々な害毒に犯されることがなかった。これが我が国の役人が長いこと腐敗から逃れられた大きな理由である。

 

・西洋的な資本主義社会になっても、日本人の心の奥底には武士道がまだ眠っている

なるほど江戸時代にまで続いたこのような武士道の金銭を嫌うという経済観念が令和の今になっても人々の間に根強く残っており、西洋からやってきた資本主義の思想が形の上では導入されていても人々の心の髄まで支配しきれていないのだとしたら、日本人が金儲けを悪だと感じるのも納得がいく。日本人は西洋に追いつくためにとっくの昔にちょんまげをやめてしまったけれど、心の底ではまだ武士道を密かに隠し持っているのかもしれない。

金儲けやお金を稼ぐことがよくないという観念だけではなく、日本では日常生活でお金の話をすることすら憚られ、恥ずべきことだ、下品だと見なされる風潮がある。これも実に不思議な現象で、お金は人間が生きていく上でなくてはならない最も重要な道具であるのに、そしてお金というもの自体が全く悪いものであるはずもないのに、どうしてお金の話をするのが下品なのか全然理解できなかったが、それもこれもぼくたち日本人の心の根本には未だにサムライ・スピリッツが眠っているからだと思うと、なんとも神秘的な気分だ。しかしお金というものはよくも悪くもないただの生きていくために必要な道具なのだから、そろそろ侍の時代を抜け出しておおらかにお金について議論できる環境が整ってもいいのではないだろうか。

 

 

・ぼくたちはお金の話が自由にできる環境を整えるべきだ

ぼくもフリーランスの医師が一体どれだけ稼げるのかを、包み隠さず具体的にブログで共有してきた。武士道を未だに心の中に抱えている古風な日本の人々にとって、ぼくのお金の記事は下品だと感じる可能性もあるが、ぼくがそれを覚悟した上で敢えてしっかりとお金について書き続けている理由は、お金自体が悪いものでは決してない、金儲けが悪ではなく逆に人々の役に立つ素晴らしい行為だという思想をしっかりと確立させているからだ。そして誰もが遠慮しがちなお金の話を堂々とすることによって、日本人の間で建設的にお金の話ができるという雰囲気が広まってくれれば嬉しい。

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「お金の話が下品というのは本当だろうか?」「金儲けが悪だということは本当だろうか?」そう問いかけることから思考は始まる。世の中の常識や正しさに流されない独自の思考の果てにたどり着いた揺るぎない思想は、やがて自分自身がこの世の荒波に飲まれながらしっかりと迷いなく立ち続けるときに役立つだろう。

 

 

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