腕の痛み腫れに38℃以上の発熱!コロナワクチンの副反応が怖いというのは本当か?
・コロナワクチンの副反応が怖いというのは本当か?
・命に関わる副反応であるアナフィラキシーは滅多に起こらない
・最も多い副反応は「腕の痛み」
・副反応として38℃以上の発熱も珍しくない
・ファイザーとモデルナは「腕の腫れ」の頻度が格段に違う
・コロナワクチンの副反応は大したことがない場合がほとんどだから心配しなくていい
目次
・コロナワクチンの副反応が怖いというのは本当か?
医師として全国各地で新型コロナワクチン問診のバイトをしていると、2回目接種の人や若者の接種者が増えているのを確実に感じる。高齢者よりも若者の方がワクチンによる副反応が出やすく、若者の中には副反応を異様に恐れて怖がっているような人もいるようだ。
ニュースは視聴率やアクセス数を稼ぎたいばかりに、滅多に起こらないワクチンの副反応をピックアップして目立つように報道し、それを見た若者が「ワクチンは副反応が怖い」「ワクチンで死んでしまったらどうしよう」などと感じてしまうことは自然なことなのかもしれない。
しかしそろそろ人々はニュースや報道というものの怪しさに気づいてもいいのではないだろうか。ニュースや報道は真実を伝えるというよりはむしろ、たくさん見られて注目されることによって自分たちがお金を稼ぐために、民衆に必要のない恐れを植え付け、過剰な恐怖心を引き起こさせて注目を集めようと、わざとワクチンのネガティブなほんの一部の側面をまるで全てであるかのように伝えている。
しかしワクチンの本当の情報を知りたければニュースなど無視して、自分で厚生労働省のホームページや論文などしっかりとエビデンス(証拠)のある情報を収集しようと努力すべきではないだろうか。
・命に関わる副反応であるアナフィラキシーは滅多に起こらない
コロナワクチンにはアナフィラキシーなど命に関わるような重篤な副反応もあることにはあるが、それが引き起こされる確率はものすごく低く(100万人のうち2〜5人など)、ほとんど考慮しなくてもいいと見なせる。もちろん自分がアナフィラキシーになる確率は0ではないが、引き起こされる可能性のあるありとあらゆる災難に怯えながら生きていては時間の無駄だろう。100万人に2人というものすごく低い確率の出来事が自分に起こるはずなどないと開き直って明るくふるまうことが、人間として上手に軽やかに生きていくためのコツだと思われる。
・最も多い副反応は「腕の痛み」
ぼくは医師としてコロナワクチンの問診業務をしている際に、2回目の接種の人が来たら必ず1回目の副反応はどうだったかを確認している。これまでに何千人もコロナワクチンの問診をしてきて最も多かったコロナワクチンの副反応は、やはり「腕の痛み」「筋肉痛」だ。このような副反応が最多であることは想像に難くなく、注射して腕に針を刺しているのだから腕が痛くなることは当たり前とも言える。
副反応としての「腕の痛み」はその日の夜〜翌日にかけて生じることが多く、腕が上がらないほど痛いというのも珍しいことではない。痛みで腕が動かせなくなった時に生活に支障が出てしまうと困るので、特別な事情がない限り摂取は利き手と反対の腕に打つことになっている。「腕の痛み」は数日の間に自然と治るので心配する必要はない。
・副反応として38℃以上の発熱も珍しくない
2つ目に多かったのは「発熱」だった。37℃台の微熱から、38℃以上の高熱になることも副反応としては決して珍しいことではない。1回目の接種よりも2回目の接種で発熱する確率が高く、発熱で苦しいと感じた場合には市販の解熱薬で対応すれば、ほとんどの場合2日以内には治まるのでこれも大きな問題ではない。
発熱と同時にウイルス性の風邪のような症状になり、全身倦怠感や関節痛が生じる場合もある。それらの症状が重なると寝込んでしまう場合もあるので、接種の翌日には重要な予定を入れない方が賢明だろう。
・ファイザーとモデルナは「腕の腫れ」の頻度が格段に違う
ぼくは医師としてファイザーの会場でもモデルナの会場でも問診業務を行なってきたが、その2つで決定的に違うと感じたのは、接種部の腫れの副反応についてだった。ファイザーでは副反応として腕の腫れがあったことを訴えた人は少なかったのに対し、モデルナでは腕の腫れが生じたと答えた人がはるかに多かった印象だ。さすが「モデルナアーム」と命名されるだけのことはあるなと感じた。これまで問診してきて、腕の痛みや発熱の副反応についてはファイザーとモデルナで特に大きな違いを感じることはなかったが、腕の腫れが生じた人は圧倒的にモデルナが多かった。腕が腫れるという副反応が生じにくいというのは、ファイザーの利点なのかもしれない。
しかし腕の腫れも自然と治っていくのでそんなに重要な問題でもないだろう。
・コロナワクチンの副反応は大したことがない場合がほとんどだから心配しなくていい
ぼくが何千人とコロナワクチンの問診をしてきて、そのほとんどの副反応は「腕の痛み」「発熱」「腕の腫れ」のみだった。これらの副反応はまさに“ありふれたもの”という感じだったが、この他の副反応が生じたと訴える人はものすごく珍しいという印象だった。
よくワクチンを打とうか迷っているという若者が「熱が出るなんて怖い」「寝込むほどダルくなるなんて嫌だ」と嘆いているという情報を目撃するが、はっきり言ってワクチンの副反応なんて大したことがない場合がほとんどだ。ぼくが問診していても「ちょっと腕が痛くなったけれど、大した問題はなかった」と答える人が大半だった。
そもそもそんなに腕が痛いことや熱が出ることが嫌なことなのだろうかと、ワクチンの副反応に怯える意見を見る度に思ってしまう。別に普通に生きてたってたまには熱くらい出すし、腕が数日間ちょっと痛いからって特に大きな問題にはならないだろう。逆にちょっと腕が痛かったり熱が出るくらいできちんと体内で免疫を作り出してくれて、コロナにかなりかかりにくくなったり、かかっても重症化を防いでくれたり、他の人へ感染させるリスクを格段に減らしてくれるなんてものすごくありがたいワクチンだ。
ワクチンにはありふれた大したことのない副反応のデメリットを大きく上回るメリットがあると、医師として問診しながら感じられる。
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