さくらももこは祖父が大嫌い!ちびまる子ちゃんとおじいちゃんが仲良しというのは本当か?

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アニメではあんなに仲よしなのに!!!!!

さくらももこは祖父が大嫌い!ちびまる子ちゃんとおじいちゃんが仲良しというのは本当か?

・ちびまる子ちゃんとおじいちゃんは大の仲良し
・さくらももこがおじいちゃんと仲良しだというのは本当か?
・「もものかんづめ」の衝撃!さくらももこはおじいちゃんが大嫌いだった
・さくらももこのエッセイはどれも爆笑で面白い!

・ちびまる子ちゃんとおじいちゃんは大の仲良し

アニメ「ちびまる子ちゃん」のまる子といえば大家族であり、まる子とお姉ちゃんと、お父さんとお母さんと、おじいちゃんとおばあちゃんとが一緒に暮らしていることはもはや日本人の常識である。

お母さんやお父さんやお姉ちゃんはよくまる子を叱ったり馬鹿にしたりしているが、おじいちゃんはいつもまる子の味方でありまる子のことをいつも肯定して尊重して、まる子を大切にしている様子が伺える。どのような家庭でも親は子供に対してしっかりと教育する義務があるので子供に厳しくするが、祖父母はそれほどの義務感もないので孫を可愛がったり甘やかしたりする傾向があるようだ。

おじいちゃんとまる子は家族の中でも大の仲良しであり、おじいちゃんはまる子の最大のよき理解者であり、彼らが固い絆で結ばれているということは物語の中で本人たちも認めている通りである。

 

 

・さくらももこがおじいちゃんと仲良しだというのは本当か?

アニメ「ちびまる子ちゃん」とは、作者のさくらももこの幼少時代のことを漫画にした作品だと言われている。それならば作者のさくらももことそのおじいちゃんも実際にはたいそう仲が良かったのだろうと、アニメや漫画を見ている人ならば誰もが思うことではないだろうか。しかし実際には、さくらももこはおじいちゃんと全然仲良くなかったばかりか、むしろとんでもないじいさんだと嫌っていたようだ。

 

 

・「もものかんづめ」の衝撃!さくらももこはおじいちゃんが大嫌いだった

その詳細は彼女の爆笑エッセイ「もものかんづめ」の中の「メルヘン翁」という章で紹介されている。この本は本当に面白くて、小学生の頃に爆笑しながら読んだ記憶があるが、大人になった今読んでも同じように爆笑してしまうという稀有な本である。

「メルヘン翁」の冒頭はこのように始まる。

祖父が死んだのは私が高二の時である。

ちびまる子ちゃんと大の仲良しのおじいちゃんが死んだという話なのだから、これからものすごく悲しみに満ちたストーリーが展開するのかと思いきや、事実は全くの逆だった。なんとじいさんの死に顔が口をあんぐり開けてムンクの叫びのようでおかしくてたまらず家族で爆笑するという内容だったのだ!

さくらももことおじいちゃんの実際の関係が、アニメのちびまる子ちゃんとおじいちゃんの関係と全く異なっていたことは、2行目からして明白にわかる。

祖父は全くロクでもないジジィであった。ズルくてイジワルで怠け者で、嫁イビリはするし、母も私も姉も散々な目に遭った。

このひとつの文章を読んだだけで、もはやちびまる子ちゃんとおじいちゃんの絆なんて現実にはないただの幻想だったことがありありと思い知らされる。実際は彼らはものすごく仲が悪かったのだ!その仲の悪さはじいさんの死を悲しむわけでもなく、じいさんの死に顔があんまりバカらしかったので家族で笑ったというエピソードからも推量される。

なるほど、祖父は息をしておらず、あんぐり口を開けたまま動かなかった。あまりのバカ面に、私も父も母も、力が抜けたままなんとなく笑った

「ジィさんが死んだよ」と私が言ったとたん、姉はバッタのように飛び起きた。「うそっ」と言いつつ、その目は期待と興奮で光り輝いていた。私は姉の期待をますます高める効果を狙い、「いい?ジィさんの死に顔は、それはそれは面白いよ。口をパカっと開けちゃってさ、ムンクの叫びだよあれは。でもね、決して笑っちゃダメだよ、なんつったって死んだんだからね、どんなに可笑しくても笑っちゃダメ」としつこく忠告した。

姉は恐る恐る祖父の部屋のドアを開け、祖父の顔をチラリと見るなり転がるようにして台所の隅でうずくまり、コオロギのように笑い始めた。

死に損ないのゴキブリのような姉を台所に残し、私は祖父の部屋へ観察に行った。誰も泣いている人はいない。ここまで惜しまれずに死ねるというのも、なかなかどうしてできないことである。

口を開けたままのじいさんの死に顔があんまりだったので、家族で相談して「祭」と書かれたてぬぐいを、頭からアゴにかけて巻いてなんとか口を閉じたという。

ジィさんは昔の人のわりには背が高かったので、棺桶のサイズが合わなかったらしく、少し体を曲げて棺の中に納まっていた。数珠を絡めて合わせた手が頰のところにきている。体をS字にくねらせて、頰に手を重ねるジジィの姿は、ちょうど夢みるメルヘン少女のようであった。体の周りにキクの花が敷き詰められ、ますますメルヘンの風潮が高まった。

これがこの章の題名「メルヘン翁」の由来である。じいさんの死は終始さくらももこに悲しまれることなくこの章は幕を閉じた。よほど嫌いだったのだろう。どんなに嫌いでも家族が死んでしまえばちょっとは寂しくなりそうなのに、これほどまでに家族の死をおもしろおかしい笑いに昇華してしまうのはすごい才能だ。ここまで来るときっとじいさんも天国で悪い気はしないのではないだろうか。

 

・さくらももこのエッセイはどれも爆笑で面白い!

さくらももこの本は抱腹絶倒の面白さがあり「もものかんづめ」だけではなく「たいのおかしら」や「さるのこしかけ」などこの時代に書かれたものはすべて爆笑だった。じいさんだけでなく最近さくらももこ本人も亡くなってしまったが、こんなに面白い本を数々残してくれてありがとうという心境である。

 

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