感染拡大の真の原因とは?!新型コロナウイルス感染拡大は政府のせいだというのは本当か?

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新型コロナウイルス感染拡大は、政府のせいではない。

感染拡大の真の原因とは?!新型コロナウイルス感染拡大は政府のせいだというのは本当か?

・東日本大震災の火炎は誰のせい?
・攻撃しにくい原因を無視して、攻撃しやすい原因を見出す人の心
・地震は政府のせいだというのは本当か?
・新型コロナウイルス感染拡大は政府のせいだというのは本当か?
・あらゆる原因を量産できる世の中において、恨まずにただ祈る心を持て

・東日本大震災の火炎は誰のせい?

2011年3月11日に起こった東日本大震災の衝撃は記憶に新しい。地震発生当初は連日当然のように被害に遭った地震現場の風景がテレビ上に映し出されたいたが、ぼくが印象深かったのは地震のせいで火事が起き、街が赤々と燃え盛っていたシーンだ。ぼくは地震のせいで街が燃えている場面を見て、「まるで戦争みたいな風景だな」と思った。もちろん戦争を経験したことなどないのだが、戦争ってこんな感じではないかという自分の中のイメージとその映像が一致していたのだ。

しかしもしも街が燃えているのが戦争のせいであり、例えばアメリカ兵に落とされた爆弾によって火事が起こっているのなら、ぼくたちは燃え盛る街の映像を見て、なんてひどいことをするんだとアメリカ兵やアメリカという国家を恨んだに違いない。人間はいつも何かが起こった時には、その原因を追求し、その出来事の責任はどこにあるのか、誰のせいにすればいいのかを決めつけようとする性質がある。何か悲しい出来事が起こったとしても誰のせいなのかわかっていれば多少は心が楽になれるし、その原因となる誰かを恨んだり攻撃したり復讐したりすることで、やり切れない無念の気持ちから来る膨大なストレスを発散する手段にすることもできるからだ。

けれど311の東日本大震災の火事は、原因が人間ではなく、地震という大自然がもたらした天災なので、燃え盛る炎を見ても誰を恨むこともできずに、ただただ無念の思いを噛み締めることしかできなかったのは印象的だ。原因が人間ならばこちらも人間である以上、原因となる人間を心の中で恨んだり復讐したりできるものだが、原因が大自然であるとき、人は誰にこの虚しさをぶつけていいのかわからず、ただただ茫然自失するしかないのだと感じられた。大自然というのはあまりに壮大で畏れ多いので、人間の恨みの対象にすらならないのだった。

 

 

・攻撃しにくい原因を無視して、攻撃しやすい原因を見出す人の心

天災の多い日本に住むぼくたち日本の民族は、いつの時代も大自然を敬い畏れる気持ちを忘れていない。自分たちが戦えるような小さな相手(例えば異民族の人間)であるならば恨んだり対抗したりもできるだろうが、あまりに自分たちよりも巨大で計り知れない大自然の意思の仕業となると、ただただうなだれてひれ伏し祈るしかないということを、新期造山帯に属する列島の民族は古代から知っているのだろう。

しかし本来ならば何か最悪の事態が起こった時に、誰のせいでもないことであったとしても、原因をこじつけて、無理矢理に誰かのせいにして、責任を追求したり、悪口や攻撃の対象にしたりしてストレスを発散させたいのが人の心の性質というものだ。

地震や津波や火山の噴火など、巨大な天災が人間の心にもたらすやり切れなさや絶望感、喪失感、ストレスは半端ない。そんな大量のストレスが心の中に生み出されたのに、発散したりぶつけられる相手もないのは耐えられないつらい状況だ。大自然のせいだからと言って大自然を恨むこともできず、人の心は次第に攻撃できるもっと小さな対象を探し始める。それは自分の中のやり切れなさや、無念さ、無力さ、いたたまれなさ、それらから来るストレスを思う存分にぶつけられる、自分にとって都合のいい攻撃の対象だ。

しかし大自然のせいである地震を享受した虚しさ、いたたまれなさから来るストレスを、一体誰にぶつければいいいのだろうか。まさか地面のせいだからと言って地面に殴りかかっても悲しいだけである。地面の下にあるマグマのせいだと言ってマグマに攻撃をしかけても自分が焼かれて溶けて死ぬだけである。日本の下に沈み込むプレートのせいだと言ってプレートを攻撃しようにも、海の底深くにあるのでたどり着けない。どうにもこうにも恨んだり攻撃したりする対象を見出しにくい、天災が人の心の中にもたらす莫大なストレスのはけ口は、やがてはもっと小さきもの、攻撃のしやすいもの、最も恨みやすいもの、簡単に悪口を言えるもの、すなわち国家権力、政府へと移行される。

 

・地震は政府のせいだというのは本当か?

政府というものはいつの世でも民衆から批判されているものだが、特に天災が発生したときにはいつも以上に注目され、非難や攻撃の対象となっている様子をいくつも目撃してきた。311の東日本大震災の際も、政府に対する怒りや不満や攻撃がインターネット上にあふれ返っていたことが記憶に新しい。まるで311によって引き起こされた悪い出来事は、すべて政府や権力者たちの過ちのせいだと言わんばかりの風潮で満たされていた。

民衆たちは311によって絶望し、うろたえ、それによって生み出された膨大な量のストレスを、大自然のせいにすることもできずにはけ口を見つけられず、やがてはストレスの排出先として最も都合のよい「政府」というものを見出しているかのようだった。民衆のとりとめもない絶望や不安やいたたまれなさを一挙に引き受けることも、政府としての役割なのだろうか。

しかしぼくはそのような天災の際の民衆の心の波の動きに疑問を抱かずにはいられなかった。民衆がうろたえているのもわかるがもうちょっと冷静になって考えてみたらどうだろうか。最悪の事態をもたらした311は、政府のせいで起こったのでなく、地球のせいで起こったのだ。元はと言えば全ては地球のせいなのだから本来ならば地球を恨むのが筋だが、人間があまりに卑小なばかりに地球を恨んでもどうしようもないことに気づいているから、地球の代わりにはるかに小さな攻撃しやすい政府を恨むしかないだけなのだ。

震災後の政府の政策が悪いと思う存分怒りを爆発させるのは自由だが、民衆の怒りの本質は、311の本当の原因である地球にぶつかっていけない程度の自らの小ささにあることを自覚し、もう少しなりふり構わぬ憎しみの怒りを鎮める努力をすべきではないだろうか。民衆の政府に対する怒りというものは、大抵の場合、自らの中に潜む無力感やいたたまれなさの投影ではないだろうか。

 

 

・新型コロナウイルス感染拡大は政府のせいだというのは本当か?

2020年の新型コロナウイルスに対する民衆の反応に関しても同じようなことが言えるだろう。みんなコロナウイルスのことで政府に文句ばかり言っている。新型コロナウイルス感染拡大したのは全て政府の政策や判断力のせいだと、政府を悪者のように罵っている。しかし冷静に考えてみればすぐにわかることだ。新型コロナウイルスが感染拡大したのは、政府のせいではない。新型コロナウイルスが感染拡大したのは、新型コロナウイルスのせいなのだ。新型コロナウイルスがもっといろんな場所で住みたい、拡散したいという願いを持っていたから、新型コロナウイルスが感染拡大しただけのことだ。

民衆たちは文句があるなら、本来ならば新型コロナウイルスに言うべきだ。新型コロナウイルスに殴りかかったり、攻撃して殺したり、悪口を言ったりしてスッキリすればいいことだろう。しかし人間にはそのような能力さえありはしない。新型コロナウイルスは人間よりもはるかに小さいのに踏み潰して殺すこともできなければ、悪口を言って新型コロナウイルスを悲しませる言葉を獲得することもできない。

民衆たちは天災である新型コロナウイルスには何もできないとわかっているから、代わりに攻撃しやすい恨みやすい「政府」という都合のよい的(まと)に悪意の照準を合わせているだけではないだろうか。民衆のコロナウイルスに関する政府への攻撃や非難は、新型コロナウイルスに対して何もできない自分の中の無力感や不安や絶望の投影ではないだろうか。これは結局311の時と同様の現象であり、民衆が天災の際に引き起こす心模様は、いつの世も変わらずに一定なのかもしれない。

 

 

・あらゆる原因を量産できる世の中において、恨まずにただ祈る心を持て

「Go To トラベルやGo To イートなど、政府の政策が悪いから新型コロナウイルスが感染拡大したのだ」という論調は、まさに正しいように見える。しかし新型コロナウイルス感染拡大に決定的なたったひとつの理由があるのだろうか。政府のせいだけで新型コロナウイルスが感染拡大すると固く信じているような人間は、まさに政府を攻撃したいという気持ちだけで生きているような心を恨みに支配された種類の人間だろう。政府のせいだけで新型コロナウイルスが感染拡大するわけがないのは、冷静に考えれば小学生だってわかることだ。

もしかしたら冬が来て寒くなって乾燥しているから、新型コロナウイルスが感染拡大しているのかもしれない。もしかしたら手を洗わない人や消毒しない人がいたから、新型コロナウイルスが感染拡大しているのかもしれない。もしかしたらマスクをしないで大声で喋る人がいたから、新型コロナウイルスが感染拡大しているのかもしれない。もしかしたらGo To イートと関係のないところで飲み会をして大騒ぎをして、新型コロナウイルスが感染拡大しているのかもしれない。

その全てかもしれないし、そのどれかかもしれない。いずれにしても天災である「新型コロナウイルス感染拡大」の原因なんて、いくらでも見つけられるし、いくらでもこじつけられるし、いくらでも列挙できる。その中でも政府との関係をこじつけられるものもあれば、こじつけにくいものがあるのも明らかである。原因なんて言葉によっていくらでも生み出せるのだから、結局は誰の責任にしたいか、誰を攻撃したいか、誰を恨みたいかで、あなたの中に思い浮かぶ感染拡大の原因は変わってくるのではないだろうか。結局は原因なんて、自分の心の安定に都合のよいだけの幻想ではないだろうか。

どんな原因すらこじつけられる「新型コロナウイルス感染拡大」において、結局断言できることと言えば「新型コロナウイルスが感染拡大しているのは、新型コロナウイルスのせい」くらいのものである。ぼくたちは無理矢理に原因を模索し、誰かを恨んだり、憎んだり、攻撃したり、悪口を言ったりしようと努力するのをやめて、誰のせいでもない新型コロナウイルスという天災に早く鎮まりますようにと、心から祈りを捧げるくらいでいいのではないだろうか。それこそが天災の多い日本列島において古代から培われてきた、大いなるものへの畏怖の念というものではないだろうか。

 

 

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