医学生の1〜6年生の授業内容を徹底解説!医学部は勉強が忙しく大変でつらいというのは本当か?

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医学部は勉強が大変!!!!!

医学生の1〜6年生の授業内容を徹底解説!医学部は勉強が忙しく大変でつらいというのは本当か?

・難関の医学部に入れば楽に医者になれると思っていたが、実際は全然違った
・医学部の1年生は他学部と共に一般教養を身につける
・2年生から本格的に医学を学び始め、2〜3年は基礎医学を習得する
・3〜4年は臨床医学を学び、全ての診療科について勉強する
・5〜6年生は実際に大学病院で実習をして、医者になる実感を深める
・6年生の最後に卒業試験、医師国家試験に合格すれば医師に
・医学部は勉強が忙しくて大変でつらいというのは本当か?

・難関の医学部に入れば楽に医者になれると思っていたが、実際は全然違った

もしも医者になりたいと思ったならば、ぼくたちはまず大学の医学部医学科に合格しなければならない。しかし医学部医学科はかなりの難関だということは、きちんと受験勉強をしてきた人々の間では常識中の常識である。偏差値表を見ればすぐにわかることだが国立の医学部医学科ならどこでも、東大京大阪大の医学部ではない学部に入学するくらいの学力は必要となる。

ぼくは医学部の内情も詳しく知らずに合格してしまったが、医学部に入るためにこんなにいっぱい勉強したのだから医学部に入ったらもうあんまり頑張らなくても医者になれるのではないかと勝手に思い込んでいた。医学部ではない両親からも、大学は休みがたくさんある場所だと聞かされていたからだ。しかしそれは大きな間違いだったと、入学してから初めて気づくことになる。医学部は他の学部と違って、6年間の間ずっと授業と実習と試験とレポートの連続で、心が休まる暇なんてどこにもなかったのだ!

ここではぼくの国立大学の医学部生活がどんな感じだったのか詳細に解説しようと思う。大学によってカリキュラムは大きく異なってくると思うので、あくまでも参考に!ではどうぞ!

 

 

・医学部の1年生は他学部と共に一般教養を身につける

医学部に入って最初の1年間は、医学の勉強はほとんどなく他学部の学生と一緒に一般教養を身につける。1年生の頃は他学部の友達ができることも多く彼らと授業の話もしていたが、明らかに医学部の一般教養の授業数は他学部に比べて多く、自分たちがはるかにたくさんの知識を習得しなければならないシステムになっていることを自覚した。

医学部の学生だけは第2外国語を2つも習得する必要があったし、英語の授業もいくつかの授業を同時に選び取ることになっていた。ぼくは第2外国語でドイツ語中国語を選択した。ドイツ語を学んでいる学生は夏に1ヶ月かけてドイツ留学しないかという語学研修の話があったので、大学2年生の時に参加してとてもいい経験になった。ぼくの大学で一番印象深い思い出は1ヶ月かけてドイツ、オーストリア、チェコを回ったドイツ研修であり、医学部だからと言って医学のことばかりに目を向けずに幅広い視野で世界を見つめることの重要性にも気づいたのだった。

語学ばかりではなく1年生の間の授業には物理、化学、生物、数学、統計などの理系科目の授業が並び、さらにそこに理系科目の実験(化学実験、生物実験)も加えられた。その他にも社会や文化に関する文系科目、情報、体育まであり、毎日朝から夕方まで大学に通って必要な単位を習得していったので1年生は1年生でとても忙しかった。それでも夏休みや春休みが長かった分時間はあり、空いている時間で自動車免許の学校に通ったりして有意義に過ごしていた。

 

・2年生から本格的に医学を学び始め、2〜3年は基礎医学を習得する

2年生になると他学部とは隔絶された医学部専用の校舎に移り、本格的に医学の勉強しかしない生活が始まった。2年生〜3年生にかけては基礎医学を習得し解剖学、組織学、生化学、発生学、生理学、細菌学、ウイルス学、寄生虫、免疫学、病理学、法医学、薬理学、症候学などの科目が朝から夕方まで毎日並んでいた。

解剖学にはもちろんご遺体を切って人体の構造を勉強するという解剖実習も含まれており、人体の構造をきちんと記憶しているかの試験もいくつかに分けて随時行われた。ペーパーの試験もあったし、実際のご遺体の部位を指しながらこれは何の神経か、何の筋肉か問われる試験もあったし、人間の骨の名前ばかりではなく骨の溝や穴まで隅々まで細かく記憶する骨学実習の試験もあり、解剖の授業は多忙を極めた。特にうちの大学は解剖学を全て英語で行い、教科書も全部英語、試験も全部英語だったので余計に手間がかかった。

医学生でも吐いたり泣いたりする?!医学部の解剖実習が怖いというのは本当か?

組織学も授業と同時に、人体の全ての部位の組織を染色したものを顕微鏡で観察しスケッチするという実習があり、これもなかなか時間がかかった。試験はペーパーのものもあったし、順番に顕微鏡で大量の組織スライドを見せられてこの組織は何の組織か答えなければならないという試験もあった。組織学の授業で正常な人間の組織を顕微鏡を使って観察し記憶した次には、病理学の授業で病気になった異常な組織がどのような形に変わっていくのかを観察し、さらに勉強を重ねた。

生化学、生理学、細菌学、ウイルス学、寄生虫、免疫学は授業がメインだったが、それとは別に実験や顕微鏡の実習もあった。全ての科目において試験とレポートが課せられており、医学部6年間をふり返ってみるとこの2〜3年生の基礎医学の授業が最も多忙で覚えるべき知識も膨大で、最も大変な時期だったのかもしれない。

 

・3〜4年は臨床医学を学び、全ての診療科について勉強する

3〜4年生になると実際に病院で働いてから使うような病気の知識を次々に勉強し、暗記していく。循環器、呼吸器、消化器、神経、腎臓、内分泌、血液、感染症、産婦人科、小児科、精神科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、整形外科など大学病院に存在する全ての診療科の知識を習得し、学んでいく。

しかし実際にその病気にかかった患者さんを見たことも聞いたこともなく、当然それによる苦しみもわからないような中で、病気の名前や症状や治療法を机の上で学び続けていくというのはイメージがわかなくて大変だった。もはや自分が単なる暗記する機械になってただひたすらに知識を吸収し暗記しているというような感覚だった。

当然全ての診療科の授業には試験が課せられ、医学生は全ての診療科に関する知識を必死に次々と暗記していく。診療科の数も多いのでその分の試験の量も多く、試験勉強に追われる日が続いた。4年生の最後にはCBTという医学知識の試験と、オスキーという技術試験が課せられた。大量の試験に受かった上に、そのCBTとオスキーにも受からないと5年生にはなれないのだった。

 

・5〜6年生は実際に大学病院で実習をして、医者になる実感を深める

無事に5年生になると、今度は授業ではなく「ポリクリ」という大学病院での実習が始まる。循環器、呼吸器、消化器、神経、腎臓、内分泌、血液、感染症、産婦人科、小児科、精神科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、整形外科など大学病院にある全ての診療科を5〜6年生で見学して回っていく。

循環器、呼吸器、消化器、神経、腎臓、内分泌、血液、感染症、産婦人科、小児科などのメジャー科は3週間、精神科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、整形外科などは2週間かけて実習し、それぞれにレポートが課せられるので結構忙しかった。ここで実際に病院の業務に触れたり患者さんと接することができたりして、医者になっていくという実感が湧いてくる。

ポリクリでは学生と言えど毎日病院に通い、医師や看護師や患者さんと交流することになるのでかなり社会的な生活を営むようになる。机上での勉強ではなくなり人付き合いがメインとなってくるので社交性のない人はしんどい思いをするかもしれないが、医者として働き出しても社交性は大切になってくるのでここで心を慣らしていくしかない。

 

 

・6年生の最後に卒業試験、医師国家試験に合格すれば医師に

無事にポリクリを卒業すると、6年生の最後には卒業試験が待っている。卒業試験は最初と最後に総合試験が、その間に臨床医学の全ての診療科の試験がもう一度課せられる。怒涛の試験期間を切り抜けて見事合格すると、医学生は卒業を許される。

しかし卒業が決まったからと言ってのんびりはできず、最後の最後には医師国家試験があるのでそのためにまた勉強に追われることとなる。その医師国家試験に合格すれば、ようやく正式な医者になることができる。

 

 

・医学部は勉強が忙しくて大変でつらいというのは本当か?

このように多忙な医学生の6年間をふり返ってみると、医学部に入ってしまえば楽に医者になれるのかもしれないという入学当時の自分の思い込みがいかに間違っていたものであるかが明らかになる。医学部の生活は常に授業と実習と試験とレポートで満たされており、ほとんど暇な時間なんてなかった。

しかし寝る間も惜しんで勉強とか、友達と遊ぶ暇もないとかいうほど忙しいかと言われればそういうわけでもなく、普通に学生らしい生活を享受する余地は残されていた。医者になってしまえば土日もなくなり、夜中当直で働いてその上次の日の日中もそのまま眠らずに働かされることもザラにあるので、それに比べればまだ平穏な日々を送っていたのかもしれないと思えてくる。医者と違って長期の夏休みと春休みもあるし、多忙といえども医者にとって医学生だった期間は、人生で最後にゆっくりできる貴重な機会だったのかもしれない。

どんなに授業や実習で多忙でも、試験が大変でも、やるべきことが多くてつらくても、泣き言を言ったり諦めたりせずにそれなりにきちんとこなして前を進んでいく人がほとんどであり、さすが難関の医学部に入学しただけの集中力と持続力を持ち合わせているという印象だった。受験勉強を勝ち抜いて医学部に入れたのなら他にとてつもなく大きな悩みでもない限り、医学部の勉強が大変でどうしようもなくつらいと嘆く心配もほとんどないだろう。

 

 

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