医者になるための全ての過程を医者が徹底解説!初期研修医は医者じゃないというのは本当か?

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医者になるにはどうしたらいいの?!?!?

医者になるための全ての過程を医者が徹底解説!初期研修医は医者じゃないというのは本当か?

・「医者になるにはどうしたらいいのか」を医者自身が語る
・医者になるための大まかな流れ
・まずは大学の医学部医学科に受かろう
・医学部医学科の1〜6年生の具体的な学生生活の内容
・医学部の留年について
・医学部試験の勉強方法について
・初期研修医が終わってから医者になるというインターネット上の誤情報
・世の中に出回っている間違った図と、初期研修医は医者であるという正しい図
・初期研修医2年を終えると専門を決めて専攻医へ

・「医者になるにはどうしたらいいのか」を医者自身が語る

「医者になるにはどうしたらいいのか」「医者になるまでの過程とは?」という情報がインターネット上にあふれているが、商売のために医者でない人が医者になるまでの過程を書いている文章が多く、トンチンカンなことを言っている様子も多々見受けられるので、実際に医者になったぼくが医者になるまでのプロセスをこの記事の中で記載して行こうと思う。本当に医者になった人が実体験をもとにして医者になるまでの道のりを紹介していくのでかなり説得力はあるだろう。医者になるには大まかに次のようなステップを踏む必要がある。

 

 

・医者になるための大まかな流れ

まずは高校を卒業して大学の医学部医学科に入学する。大学の医学部医学科では合計で6年間の学生生活を送ることとなる。6年間の学生生活を無事に終えると、6年生の2月に医師国家試験が待ち構えてている。この医師国家試験に合格すれば晴れて医者となる。

医者になった後は初期研修医という形で2年間様々な診療科を回った後、自分の進みたい診療科を選択し進んでいくこととなる。それではこの過程を具体的に見ていこう。

 

・まずは大学の医学部医学科に受かろう

まず医学部医学科に入ることが最初の難関となる。全国各地に医学部医学科は存在するが、どこも入学するために非常に高い学力を要求される。それゆえ医学部医学科には2浪以上の多浪浪人生も多数在籍しており、多浪であることは医学部では全く珍しいことではなくむしろ普通である。また一度大学を卒業したてからとか、一度社会人を経験してから医者になりたいと思いたち医学部に入学した再受験の人も散見され、医学部は様々な年齢層の学生が集まっている。

 

・医学部医学科の1〜6年生の具体的な学生生活の内容

無事に医学部医学科に入学できたとしても気は抜けない。医学部には数多くの実習や試験が待ち構えており、そのひとつひとつを確実にパスしていくことが要求されるからだ。

大学のカリキュラムにもよると思われるが、医学部の1年生は数多くの一般教養の授業を受ける必要があった。英語や第二外国語などの文系科目に加え、化学や物理や生物などの理系科目も全て修得し、さらには体育や情報などの授業も含まれていた。医学部に入ったのに医学的な授業はほとんどなかった。

2年生からは逆に医学だけになっていった。様々な教養を幅広く修得できるのは1年生までで、2年生からは医学一色になっていった。2年生から3年生までの間に、解剖学、組織学、生化学、発生学、生理学、細菌学、ウイルス学、寄生虫、免疫学、病理学、法医学、薬理学、症候学など多岐にわたる基礎医学を学んだ。それぞれに実習や試験があり、試験勉強やレポートで忙しい日々を送ることとなる。

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さらに4年生になると実際に病院で患者さんを治療していくための臨床医学を学ぶこととなる。臨床医学では循環器、呼吸器、消化器、神経、腎臓、内分泌、血液、感染症、産婦人科、小児科、精神科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、整形外科などすべての診療科について勉強した。もちろん臨床医学の全ての科目に試験があり、勉強し記憶し続ける日々が続いた。

さらに全ての試験が終わった後でも、まとめとして4年生の終わりにはCBTという試験が行われ一定の点数以上を取らないと5年生には進めない。またCBTと同じ時期にオスキーという技術試験もあり、まだ病院で働いたこともないのに病院で使う手技が適切にできるのかチェックされる。このオスキーに落ちても5年生には進めない。

5年生から6年生の間には「ポリクリ」と呼ばれる病院実習が始まり、実際に病院の全ての診療科を回って現実の医療がどのように進められていくのかを観察し、学び取る。大学にもよると思うが循環器、呼吸器、消化器、神経、腎臓、内分泌、血液、感染症、産婦人科、小児科などのメジャー科は3週間、精神科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、整形外科などのマイナー科は2週間かけて実習し、それぞれにレポートの課題が課せられるので忙しい。しかしずっと病棟にいなければならない科やあまりいなくていい科の差が激しく、大変な時は大変だが休める時は休めるという感じだった。メジャー科は6人で、マイナー科は4人でそれぞれ班ごとに回った。この班のメンバーによってもポリクリた楽しいか苦痛か変わってくるだろうが、それは学生には決められないのでどうしようもないことだろう。

無事にポリクリが終わると今度は卒業試験が待っている。卒業試験はまとめの試験とそれぞれの診療科の試験がまたしても行われ、その全てに合格して初めて卒業を認められる。卒業を認められた人だけが6年生の2月に行われる医師国家試験を受けることができる。合格率90%のこの試験を合格すると、この時点でやっと医者になることができる。長く険しい道のり!

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・医学部の留年について

医学部には試験や実習が異様に多く、その全ての試験に合格しなければ次の学年へと上がれないので、留年する学生もちらほら出てくる。留年するとただでさえ長い6年間の学生生活がそれ以上に延長されてしまうし、人間関係も一から新たに作り出さなければならないので注意が必要だ。円滑な人間関係を構築し、試験や実習の情報をきちんと共有できるかどうかが、快適な医学部生活の鍵となってくるところが割とあるので、なるべく人間関係を保ち続けるために留年はしないに越したことはないだろうと思われる。

留年の数はその学校や学年によるとしか言えないが、ぼくが6年間医学部で学生生活を送っていた時でも、学年が上がるごとに何人かの人が消えて行ったり、その代わりに知らない人が上から下りてきたりして、医学生の移り変わりの儚さというものを経験していた。試験に落ちたら問答無用で留年させられるから残酷だ。ぼくの大学のカリキュラムの注意書きには、1つでも試験を落としたら留年と厳しく明記されていたが、実際には2つ以上落とさないと留年にはならないようだったので、大学によってもそのさじ加減は様々なようだ。

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・医学部試験の勉強方法について

医学部の試験は極めて暗記が多かった。というか暗記以外の頭を使うような問題はなかなか見ない。医学生には、とにかく暗記力が求められるのではないだろうか。それは医師国家試験も同じで、医学の試験のための勉強はとにかく最初から最後まで暗記することだけが重要なのだ。医学部に入るまでの受験勉強でせっかく培った論理的思考能力はどこで使うのだろうと残念に思われるほど、医学部は暗記の日々で満たされていた。

次から次に試験が押し寄せ、大量に暗記すべき状況の中で最も効率的に勉強する方法は、やはり過去問をもとに勉強し直すことだった。過去問から膨大な医学情報の中でどの項目を暗記すべきかを抽出し、的確に暗記していく必要がある。

ぼくが効率的だと思った勉強方法は、文章で暗記せずに「まとめられた図」をそのまま0からでも自分で描けるように暗記する方法だった。絵を描くのと同じ部分の脳を活性化させて、適切にまとめられた図や表を描きながら覚えると、暗記できる情報量が文章単体で記憶するよりかなり多くて効率的だ。その図自体を試験の途中に紙の上に描いたり頭の中で思い浮かべることによって、情報量の多いその図から問題を複数解くことができてかなり効率的な暗記方法だった。

 

 

・初期研修医が終わってから医者になるというインターネット上の誤情報

医師国家試験に合格すると晴れて医者となり、2年間の初期研修医の期間が始まる。ぼくが「医者になるにはどうしたらいいのか」「医者になるまでの過程とは?」という情報をインターネット上で調べていて、めちゃくちゃ違和感があったのは、医学生から初期研修医になってそれから医者になりますと書かれている情報が検索上位でもかなり多いことだ。

いやいやちょっと待てよ!初期研修医は医師国家試験を合格して医師の国家資格を持っている、れっきとした医者である。初期研修医が終わってからやっと医者になるというような情報は、真っ赤な嘘のデタラメである。初期研修医もちゃんとした医者なのだ。こんな誤った変な情報を世間の人が信じ込んで、初期研修医を医者じゃないと見なして信用しないようなことが起きれば大変な迷惑である。こんな誤った情報が、どうして検索上位に並んでいるのだろか。

 

 

・世の中に出回っている間違った図と、初期研修医は医者であるという正しい図

 

・初期研修医2年を終えると専門を決めて専攻医へ

とにかくきちんと医師国家試験を合格して医師免許も持っているれっきとした医者である初期研修医の期間は、2年間だ。その2年間の間に定められたカリキュラムに則って、全ての診療科の中から自分で回る科を選択し、そこで医者として働いていく。自分で選択した科をローテーションして様々な科で働き、自分に合っている科や進みたい科を見出し、その専門医となることを目指して続きは専攻医として働いていくこととなる。

このように医者になるまでの道筋を大まかに見てきた。当時は必死にやっていたので気がつかなかったが、改めてこのように医者になるまでの過程をふり返ってみるとなかなか長く険しい道のりだったと思い知らされる。大学の医学部医学科への入学がかなりの難関なので、医学部に入ってしまえば流れるように医者になれるのかと入学当初は思っていたが、全くそんなことはなく、学生生活も実習と試験の連続だった。ある程度真面目で覚悟がないと、医学部の多忙の日々を乗り越えることはできないだろう。

このようにして努力の末に医者になったぼくだが、ずっと抱えてきた「旅に出たい」という思いを実現させ、医者として3年間働いてから一旦医者を休職し、世界一周と日本一周の旅に出た。旅の記録を書き綴った旅ブログ「ミズイロノタビ」も更新しているので、よかったらそちらもご覧ください!

 

 

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