シヴァ神と大黒天って、全然違うくない?????
大黒天=男根=リンガ=シヴァ?!ヒンドゥー教のシヴァ神と日本の大黒天が同一であるというのは本当か?
・リンガ=男根=シヴァ神の象徴
・破壊神のシヴァの象徴が、なぜ創造的な男根であるのか?
・ヒンドゥー教のシヴァ神と日本の大黒天が同一であるというのは本当か?
・タウンセブンの巨大な大黒天像が、一瞬巨大な男根像に見えた
・大黒天とシヴァ神は、リンガ(男根)という根源的な力によって繋がる
目次
・リンガ=男根=シヴァ神の象徴
ネパールを旅していると街中や寺院の中のあちらこちらで、天に向かって垂直に立つ石棒を目撃する機会が度々あった。この石棒はネパール人にとって重要なものであるらしく、人々はこの石棒を丁寧に撫でたり、水やミルクをかけたり、花を供えたりして大切に扱っている印象だった。この石棒は一体なんだろうと疑問に思っていたが、非常に有名なものだったのですぐにその正体を突き止めることができた。
この石棒は「リンガ」と呼ばれ、何と男根を意味しているのだという。天を突き刺すように伸びている目立つ石棒の下には、あまり目立たない台座が備わっており、この台座の方は「ヨーニ」と呼ばれ女陰を意味するという。つまりこの石棒は男根が女陰を突き刺しているという、まさに生命誕生の瞬間である性行為を端的に如実に表現していると言えるだろう。
男根と女陰の結合によって全ての人間は生み出され、ぼくたち人類の世界は繁栄していくのだから、このように人々が生殖器を崇拝するという信仰形態は非常に理にかなったものだし納得される。日本一周車中泊の旅をした時には、ぼくたちの祖国日本でも数多くの男根崇拝、生殖器崇拝の姿を発見することができた。生殖器崇拝は人間にとって当然の根源的な行為である。
・破壊神のシヴァの象徴が、なぜ創造的な男根であるのか?
しかし日本とネパールで異なっていたことは、ネパールの生殖器崇拝を如実に示すリンガという存在がヒンドゥー教の神への信仰と結び付けられているということだった。リンガとはすなわちヒンドゥー教のシヴァ神の象徴であり、別名を「シヴァ・リンガ」と呼ばれるほどだった。
シヴァ神といえばヒンドゥー教で最も有名な「破壊神」である。ちなみにブラフマーは創造を、ヴィシュヌは維持の役割を担っている。それらの神々の中で生命の誕生や繁栄、再生や豊穣を意味しそうな生殖器のリンガが、破壊神であるシヴァ神と結びついているという理屈はよくわからないが、連綿と続くヒンドゥー教の歴史の中で土着的・原始的な感性を吸い込みながら、理屈や論理を超えてリンガとシヴァ神は接近していったのだろう。
調べてみても男根であるリンガがなぜシヴァ神の象徴であるのか明確な理由はよくわからなかった。様々な説が混在してるらしいので、つまるところ“よくわかっていない“という結論なのだろう。しかし「そうだからそうなのだ」という理屈では語り切れない野生的で非合理的な力強い底知れぬ説得力が、リンガという男根には眠っているような気がする。
・ヒンドゥー教のシヴァ神と日本の大黒天が同一であるというのは本当か?
ぼくの中でシヴァ神についてもうひとつ不思議だったのは、ヒンドゥー教のシヴァ神と日本の大黒天が同じ神様であるという点だった。大黒天と言えば日本でも最も有名な神様のひとつで、七福神に数えられる。大黒天の「天」とはインド古来の神様が仏教に導入されたことを示しているので、大黒天がインド出身であることは何となくわかるものの、まさかあのほのぼのとしたお顔の大黒天が、破壊神であるヒンドゥー教のシヴァ神と同一であるとは夢にも思わなかった!この2人って、あまりにも違いすぎでは?!本当に同じ神様なのだろうか。
世界のヒンドゥー国家を旅して像や絵を見る中で、ぼくはシヴァ神というのは「破壊神」という名に相応しくキリッとした濃い顔立ちで体も割と細く、逞しく力強い印象の神様だと思っていたので、ふくよかにお腹が出て可愛い笑顔でのほほんとしている日本の大黒天と同じだとはどうしても思えなかったのだ。少なくともあの大黒天を見て、「破壊神」だと信じる人はいないだろう。おそらくシヴァ神=大黒天であるという誰かから教えられた“知識”がなければ、この2人の神様を同一だと見抜ける人はいないのではないだろうか。そう感じてしまうくらいこの2人にはあまりにも共通点が見当たらないような気がした。
・タウンセブンの巨大な大黒天像が、一瞬巨大な男根像に見えた
話は変わってぼくは今、どこの病院にも医局にも属さないフリーランスの医師としてコロナワクチンバイトのみをしながら生計を立てている。コロナワクチンバイトは日本中好きな場所で好きな時間に労働することができるので、旅人の炎が魂の根源に燃えているぼくにとっては天職と呼んでも過言ではなかった。ぼくは関西に住んでいるが仕事のために度々東京を訪れるようになり、1ヶ月丸々東京でホテル暮らしをするということも日常茶飯事となった。
東京の荻窪駅のタウンセブンというショッピングモールでぼくはよく働いているのだが、タウンセブンの1階のエスカレーターの横にはとても巨大で立派な大黒天の木製像があった。ただの商業施設にこんなに立派な大黒天像があるのはとても珍しいことだと思ったので、ぼくはいつも横を通る度にこの像のことを「素晴らしい大黒様だなぁ」と感心しながら見つめていた。
タウンセブンでは幾度となく勤務しているので、そろそろ大黒天の像があることも特別なことだと思わないほど慣れてきたある日、いつものように歩きながら遠くから大黒天像をぼんやり眺めていると、何だか巨大な大黒天像が巨大な男根像に見えてしまう瞬間があった。そういえば大黒天の頭部というか帽子の不思議な形は、まさしく男根の亀頭部にそっくりだ。さらに大黒天は米俵の上に乗っており、踏みつけられた2つの丸い米俵はまさに2つの睾丸のような位置付けにあった。大黒天像とはもしかして、男根像の化身なのではないだろうか。(そういえば大黒と男根という音もよく似ているが、それは単なる偶然だろう。)
・大黒天とシヴァ神は、リンガ(男根)という根源的な力によって繋がる
巨大な大黒天像が巨大な男根像に見えた時、ぼくの中で大黒天とシヴァ神が初めて繋がったような気がした。なぜなら「リンガ(男根)=シヴァ神の象徴」という知識を予め持っていたので、「大黒天像=男根像」という仮の方程式が脳内で作り出された時、「大黒天=男根=シヴァ神」という風に、まさに男根を媒介として大黒天とシヴァ神が思いがけずイコールで結合したのだった。
何ひとつ共通点が見出せなかったシヴァ神と大黒天が、まさか男根によって結び付けられてしまうなんて予想外にもほどがある。しかしよく考えればそれも必然的なことなのかもしれない。
ぼくが観察していると、人間というものは高等な知識や高尚な生き方を追求しているように見えて、実際のところは他の動物たちと同様に、ほとんど男根や女陰や生殖のことばかりを考えながら一生を終えていくのではないだろうか。どんなに立派だと褒め称えられているような人でも、他にはない才能を持ち合わせ特別な生き方をしている人でも、偉そうに知識ばかりを蓄え自分は賢く生きているつもりになっているような人でも、男根や女陰や生殖に根源的に支配されている限りは、誰もが同レベルの獣へと立ち戻ってしまう。
言い換えればぼくたち人間は多様性のある世界に生きているように見えても、男根や女陰や生殖に生命の核心を握られているという点では、誰もが全く変わりのない均一な存在だ。頭のいい人もいれば馬鹿な人もいるだろう、背の高い人もいれば低身長の人もいるだろう、収入の高い人もいれば一生貧しい人もいるだろう、イケメンな人もいれば不細工な人もいるだろう。人間たちはその差に思い悩み、どうにもならない苦悩を見出しているが、はっきり言ってそんなことは取るに足らない。なぜならどんなに知能が高くても低くても、見た目が優れていても醜くても、金持ちでも貧乏でも、男根に支配され突き動かされながら一生を終えるという最も根底の部分では、どのような人間も差がないからだ。
男根や女陰や生殖はぼくたち人間を生み出す唯一の神秘的な手段であり、それゆえにあまりに根源的な力を発揮して、差のありそうな人間世界を均一へと引き戻していく。日本であろうとインドであろうと、人々が男根や女陰や生殖に支配されていることに変わりはない。日本の神を信仰しようとインドの神を信仰しようと、人々が男根や女陰や生殖に突き動かされていることに違いはない。全く異なるように見えたシヴァ神と大黒天という2つの神々が、男根という根源的な力によって差を消失され本質的に繋がり合うという神秘的な出来事は、まさに必然だったのかもしれない。
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