民族よりも国家が大切だというのは本当か?

(この記事には広告が含まれる場合があります)

 

国家と民族、どちらが重要なのですか?

民族よりも国家が大切だというのは本当か?

・中国大陸での様々な民族との美しい出会い
・国が興っては滅ぶ世界史の勉強
・日本=大和民族だが他の国は大抵そうではない
・台湾人であり漢民族であるということ
・民族よりも国家が大切だというのは本当か?
・国家と民族の超越としての清らかな孤独

・中国大陸での様々な民族との美しい出会い

中国大陸横断の旅をしていると様々な種類の民族に出会い、人々の多様性を感じた。雲南省ではナシ族や白族やチベット民族に巡り会い、貴州省ではミャオ族やトン族の村を訪れ、もちろん漢民族の人々とも触れ合った。

花柄にド派手な銀装飾!中国貴州省・西江千戸苗寨で見たミャオ族の伝統衣装が美しすぎた

美しすぎるミャオ族の孔雀の銀細工を購入!中国貴州省・西江千戸苗寨で銀細工を買う際の注意点とコツ

ミャオ族最大の村!西江千戸苗寨で古民家の絶景と世界で最も美しい壮麗な風雨橋を眺める

仁、義、礼、智、信!貴州省トン族の肇興村(肇興侗寨)で珍しい5つの鼓楼を巡ってみた

中国貴州省の少数民族トン族の村を散策!肇興村(肇興侗寨)は古民家溢れる川辺の静かな村だった

中国最大の風雨橋!トン族・程陽村のまるでお城みたいな中国の木造橋が壮麗すぎた

ひとつの村にひとつの鼓楼!中国最大の美しき風雨橋のあるトン族・程陽村の素朴な周囲を散策してみた

フォトジェニックな古民家街!憧れの中国雲南省・麗江古城は言葉にできないほど素敵な街だった

物欲が爆発する!中国雲南省麗江でぼくが買った素敵すぎるお土産5つ

民族によって言語も違うし、衣装も違うし、家も違うし、考え方も違う。中国とはたくさんの民族によって構成されているのだということを、旅を通して肌で感じ取った。またその後に行った台湾にも先住民族は住んでおり、中国大陸から逃げて来た漢民族と、主に東部に集中している先住民族たちで国は成り立っている。

 

・国が興っては滅ぶ世界史の勉強

高校で初めて世界史を学んだ際、中国大陸について習った。中国大陸の歴史を勉強していて驚いたのは、金とか漢とか唐とか隋とか清とか、国がコロコロコロコロ変わるということだ。小学校から日本の歴史を習っていても、平安時代とか鎌倉時代とか、時代の名前は変わっても国が変わったなんて習ったことはなかった。日本は日本のままで、時代だけが変わっていたのだ。

中国大陸では陸続きなのでたくさんの民族がひしめき合っており、滅ぼしたり滅ぼされたりしつつ、国を作っては倒れ、国が興っては衰退してを、何度も何度も繰り返しながら、国の名前も、面積も、範囲も、民族の混ざり具合も、文字もごちゃごちゃと変化しながら、中国大陸の歴史の歩みは進んできたらしい。なんとややこしい歴史だろう!こんなの勉強しなきゃいけないなんて中国人は大変だと感じた。

日本は世界の中でも特別すごい国であるというのは本当か? 〜世界最古の国・神話を基にした国〜

しかし他の地域の世界史を学んでいると、むしろ日本国の方がただ珍しいだけであり、他の世界は全部中国のような歴史を歩んでいるということがわかった。なんと珍しい歴史について、日本人のぼくたちは学んで来たことだろう。

 

 

・日本=大和民族だが他の国は大抵そうではない

日本に生まれ育ったぼくは、なんとなく日本に住んでいるのは日本民族だという感覚を持っていた。ちょっとくらい異国の民族も混じっているのだろうが、大まかにいえばだいたい日本民族だ。それゆえになんとなく、ひとつの国家にはひとつの民族が住んでいるのだ、ひとつの民族がひとつの国家を形成するのだと、何も考えないままぼんやり感じていたが、世界を旅していて、そんなのは大きな間違いであることに気づいた。中国も台湾も、他の国も全部、国家とはいろんな民族が混じり合って成り立っている猥雑とした仕組みなのだ。

しかしどうして他の国は日本みたいに、ひとつの民族でひとつの国を作らないのだろうか。その方が国の中で民族間の争いも起きずに、国の崩壊も防げて便利そうなのに。民族の人数や文化力が小さすぎると自分の民族ひとつでは国を維持させることができずに、巨大な国家に飲み込まれるしかなかったのだろうか。

日本だって元々は、いろんな民族に分かれていたに違いない。それがだんだんと日本列島の中で融合し、自らの本来の民族の名も忘れ果て、今のように全員が「大和民族」という認識になっているだけだろう。どうして日本だけが「大和民族」と様々な民族をひとつにまとめるのに成功し、団結できているのだろうか。中国も台湾も、少数民族や先住民が自分たちの民族の名を忘れずに、互いに別物だと意識し合っている。日本のたくさんの民族だけが「大和民族」に融合してからものすごく時間が経っていて、古い歴史を持っているからまとまっているのだろうか。

 

・台湾人であり漢民族であるということ

ぼくが一緒に四国のお遍路を旅した台湾人は、自らを「台湾人」であり「漢民族」だと語っていた。つまり今は台湾に住んでいる、先祖が中国大陸から逃れて来た種類の人間らしい。

ぼくはどうしても気になったので彼に「国家と民族はどちらが人間にとって重要なのか?」と尋ねてみた。国家と民族を分けて考えられなかった日本人のぼくとして、人間にとって大切なものは何かを、国家と民族が一致していない一般的な世界市民に尋ねてみたかったのだ。

韓国人・中国人が日本人を嫌いというのは本当か? 〜東アジア諸国の本当の関係性〜

台湾と中国は仲が悪く、敵対している。それゆえに台湾人は中国を非難し、中国人は台湾人を否定する。台湾と中国という国家として考えれば、至極当然の成りゆきに思える。しかし彼らが同じ「漢民族」だとしたら、何だか考え方は変わってくる。彼は漢民族で、中国の主要な人種も漢民族で、「漢民族である」という観点に誇りを抱き共有感を得て人間が生きるのならば、台湾人の彼は中国人を憎めず、むしろ親近感を持つのではないかと思ったのだ。

民族というものが本当にあるのかは謎だが、もしあるとしたならば、血を分け合っているということを意味するのだろう。つまり大きな家族みたいなものだ。同じ民族を、自分の家族みたいなものを、支配する政府や権力が異なるからといって、本当に心から憎めるのだろうか。

 

 

・民族よりも国家が大切だというのは本当か?

台湾人の彼の答えは「国家の方が大切だ」ということだった。これはおそらく彼の意見であり、すべての人々に適応するのはふさわしくないが、多くの台湾人が中国を嫌い、多くの中国人が台湾を否定している様子を見る限り、多くの人はこのように思うのだろうとぼくも予想はしていた。韓国と北朝鮮も、同じ民族なのに、支配権力としての国家が違うことで憎み合い、敵対している。やはり人間にとっては、民族や血を分け合った家族であるということよりも、国家という集中権力の象徴の方が大切なのだろうか。

しかしぼくは思うのだ。彼らだって中国の歴史を勉強しているはずだ。そして中国の歴史を勉強すればすぐに気づくはずだ。国家なんていつかは滅び去るのだと。そして滅んでは栄え、滅んでは栄え手を繰り返す、脆い存在が国家なのだと、他でもない彼らが最もよく熟知しているのではないだろうか。時代の波に翻弄され、簡単に消滅してしまう国家よりも、そう簡単には滅びずに受け継がれる、血や民族の方が人間にとってあてになる羅針盤ではないだろうか。

同じ民族なのに、家族のようなものなのに、国家という権力によって争うように仕向けられている人間の運命とは、なんと哀れなものであることだろうか。中国と台湾や、韓国と北朝鮮も、同じ民族同士で、国家という権力により憎しみを発生させている。これは人間にとってふさわしい姿なのだろうか。それとも血がつながっているから、家族だから分かり合えるということが幻想だろうか。最も近いからこそ分かり合えず分裂を来すのだろうか。同じ家族なのに分裂しているなんて寂しいという思いが、人間の運命を織り込めない無様な意見だろうか。

 

 

・国家と民族の超越としての清らかな孤独

どうせすぐに滅び去ってしまうのに寄り集まってしまう権力としての国家という定め、不確かな「血」というものを分かち合いながら時に分裂しつながりあってゆく民族という誓い。国家も民族も、全てが危うく不確かであるというのなら、何もかもが不透明で信じられないというのなら、ぼくたちは集団であることをきっぱりとやめて、何かに属するという怯えを潔く旅立って、孤独に自らで自らの運命を背負い、生き抜いていくしかないのかもしれない。

何ひとつ区切らない次元で、誰ひとり退けない混沌で、あらゆる慈悲に心を澄ませて、苦しみながら、傷つきながら、魂を洗っていくしか方法はない。ぼくたちは痛まないために生まれてきたんじゃない。ぼくたちは血を流すために生まれてきた。その水色の血に、民族という意味合いはない。

ぼくたちは生まれたときから既におそれを抱いていたというのは本当か? 〜おそれへと旅立て〜

 

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログへ

何にも所属せずに何者でもないことが恐ろしいというのは本当か? 〜無所属の彼方へ〜

ぼくたちは何者かにならなければならないというのは本当か? 〜何者でもない海〜

同じ民族が思想により2つに分断されるというのは本当か? 〜資本主義と社会主義〜

国を愛する人と国を憎む人が対極にあるというのは本当か?

みんなと同じでないと生きられないというのは本当か? 〜異人の覚醒〜

あなたの思想が中立であるというのは本当か? 〜人は誰もが偏っている〜

あらゆる出来事が政治へとつながっていくというのは本当か?

人々の集合が国であるというのは本当か? 〜国と民衆は遠い存在〜

 

関連記事