アフリカのサイによろしくね!!!!!
感動回「風間君とお別れだゾ」を徹底解説!風間くんがふたば幼稚園から転校してしまうというのは本当か?
・クレヨンしんちゃんは基本的におバカなアニメ
・「風間君とお別れだゾ」は泣ける感動回!
・「風間君とお別れだゾ」のあらすじ
・しんのすけと風間くんの友情の絆は深い!
目次
・クレヨンしんちゃんは基本的におバカなアニメ
クレヨンしんちゃんはおバカなアニメだ。ゾウさんやケツだけ星人などの信じられないほどユニークな下ネタを展開したり、幼稚園児なのにお姉さんが大好きだったり、親を呼び捨てにしたり、周囲の大人に従わないで状況をめちゃくちゃにしたり、とにかく破天荒で非常識でおバカな内容だが、実際のところ子供達はそのようなおバカな話が大好きだし、ぼくも小さい頃からクレヨンしんちゃんが大好きだった。クレヨンしんちゃんには秩序立って整然として停滞した世の中を破壊し、次々に新しいものを再生させてくれるような、幼児的で野生的で根源的なエネルギーを感じ、それが幼児だったぼくの感性にも共鳴したのだった。
誰もが知っている通り、クレヨンしんちゃんは基本おバカなストーリーのみで構成されている。しかしそんな中でも感慨深かったり感動的だったりするストーリーがほんのちょっとでも含まれているということを、きちんと知っている人はどれくらいいるのだろうか。大量のおバカなストーリーの中から、希少な宝石のように光り輝くクレヨンしんちゃんの感動的名作を探し出すのも、また趣深い楽しみである。
・「風間君とお別れだゾ」は泣ける感動回!
ぼくが特に心に残っているクレヨンしんちゃんの感動回は「風間君とお別れだゾ」という物語だ。しんのすけのふたば幼稚園の友達である風間くんが、なんと父親の仕事の都合でアメリカへ引っ越しするのでふたば幼稚園を辞めるという話だった。結局は風間くんの転校は取りやめになったのでめでたしめでたしなのだが、「風間君とお別れだゾ」ではしんのすけと風間くんの厚い友情が不意に披露され、意外で深い感動に包まれるのだった。
・「風間君とお別れだゾ」のあらすじ
「風間君とお別れだゾ」のあらすじは次のようなものだった。
冒頭ではいきなりよしなが先生が幼稚園のひまわり組の生徒の前で「今日はみなさんに悲しいお知らせがあります。実は、風間くんがふたば幼稚園を辞めることになりました。」と発表する。風間くんのお父さんがニューヨークに転勤になったことが転校の理由だという。ひまわり組のみんなが驚いている中で、しんのすけだけは驚きも悲しみもせずに「風間くんのお父さんは飛ばされちゃったのか、つまり左遷ってやつ?」とあっけらかんと幼稚園児らしからぬ質問を投げかける。それに対して風間くんはいつものようにキレ気味に「違う!栄転だよ栄転!アメリカのニューヨーク支店は、海外でも重要なんだぞ!」と応対する。「左遷」や「栄転」など、普通は幼稚園児が知らなそうな難しいワードでしんのすけと風間くんはいつものように喧嘩している。よしなが先生は「風間くんとは明日でお別れです。最後は笑顔でお別れしましょうね。」と続ける。
翌日、しんのすけはいつものようにマイペースに「アフリカのサイによろしくね!」と、アメリカとアフリカを間違えてボケる。それに対し風間くんは今日が最後だからと「アフリカじゃないよアメリカだよ!いや、いいんだ、誰にでも間違いはあるよ!ハハハ!」と大人の対応をする。それに対ししんのすけは「いつもの風間くんじゃない!」と不満そうだ。
その後、風間くんのお別れ会が始まる。まずはネネちゃんがお別れの言葉を泣きながら読み上げ、普通のお別れ会の雰囲気が漂っている。そんなしんみりした雰囲気の中、ただしんのすけだけがマイペースに、いつものように風間くんにこちょこちょしたり、お別れのキスをしたりしようとしてつっかかる。それに対し風間くんはついにブチギレて「もう、いい加減にしろよな!最後だから喧嘩しないつもりだったけどもう我慢できない!しんのすけ!なんでいつもそうなんだよ!図々しくて無神経で気持ち悪くって、その性格なんとかしろ!!!」と怒鳴る。するとしんのすけは嬉しそうに「いつもの風間くんだ!」と微笑み、ひとりで机の上にのぼり「オラ、風間くんのために歌うぞ!」と宣言し「今日の日はさようなら」を歌い始める。
その歌は決して上手いとは言えずちょっと音痴なんだが、そこがまた頑張って歌っている感じと、一生懸命に練習してきた感じが出ていてすごく泣ける。
いつまでも絶えることなく友達でいよう
明日の日を夢見て希望の道を
空を飛ぶ鳥のように自由に生きる
今日の日はさようなら また会う日までまた会う日まで…
その一生懸命なしんのすけの歌唱に、風間くんもボロボロと涙を流して今にも声を上げて泣きそうになるのを我慢している。
こんな風にしていちばん悲しんでいそうなしんのすけが実は一番に風間くんとお別れするのを寂しがっていたということを痛感しながら、お別れ会は終了する。もはや風間くんはふたば幼稚園にはやって来ない…はずだったのだが、結局はお父さんの転勤が中止になったので、3日後に風間くんは幼稚園へ戻ってきてしまったのだった。それに対してしんのすけはまたマイペースに「栄転できなかったんだね」などと言って風間くんをイジるのだだった。
・しんのすけと風間くんの友情の絆は深い!
しんのすけと風間くんは特別な友情で結ばれている。しんのすけの幼稚園の友達には、風間くんの他にもネネちゃんやボーちゃん、マサオくんなどがいるが、みんなはしんのすけを「しんちゃん」とあだ名で呼んでいるのに、風間くんだけはしんのすけを「しんのすけ」と呼び捨てにしている。これは風間くんがしんのすけに怒ったりツッコんだりするときに呼び捨ての方が勢いが出て都合がいいという理由もあるだろうが、やはり呼び捨てだと心の距離が近いという雰囲気もうかがえる。しんのすけも風間くんを気に入っているようで、耳をハミハミしたり、耳に息を吹きかけたり、ディープキスをするなど、どことなく同性愛的な雰囲気も漂わせている特殊な関係だ。
そんな仲良しだか仲良くないんだかわからない唯一無二の珍しい関係性にあるしんのすけと風間くんの厚い友情が垣間見える回はいくつかあるが、この「風間君とお別れだゾ」はその代表的なもののひとつだろう。なんと言っても風間くんが転校すると聞いて他の友達みんなは悲しそうな顔をしているのに、しんのすけだけいつも通りあっけらかんとしていたにもかかわらず、実はしんのすけが心の中では一番に風間くんとの別れをさみしがっており、最後には心の込もった別れの歌をひとりだけで歌い上げるというのが、なんとも不意にギャップを感じさせられて、しんのすけのさみしい思いもより強調されて浮かび上がってきて感動せずにはいられない。しんのすけが歌っている間に流れる映像も、風間くんだけがひとり気球に乗って空へと旅立ってしまう描写となっており、もう二度と会えないさみしさが表現されていて切ない気持ちになってしまう。
そんな感動的な別れの後で風間くんがたった3日で戻ってきたら、みんな呆気にとられてしまうのも無理はないだろう。実際にみんなポカーンとしており、またしんのすけがボケて風間くんが怒っているいつものひまわり組の風景が戻ってきたのだった。しかし今まで隠されていたしんのすけと風間くんの深い友情の絆は、転校の一件で確実に明らかになったと言えるだろう。
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